202505/17掲載

熊野産さごしの刺身、焼霜造り

刺身を食べてみると、加熱料理にしたときの味が想像できる


高級魚とされるサワラは2キロ以上で、活け締めでなければならない。
大きくても野締めは平凡な値段でしかないし、まして2キロ以下は安い。
それでもものがよければ、刺身にもなるし、いろんな料理にも使えて経済的である。
今回の熊野市産は野締めではあるが、鮮度がいい上に身に張りがある。
切り身にして指でなぞると脂が感じられる。
もっとも固体本来の味がわかるのが刺身である。
ここから焼いたらどう変化するか、とか、煮たら、というのがわかる。

野締めだし、「さごし」だし、当然、食感は望めないが、サバ科らしくうま味豊かだ。
思ったよりも脂があるのは、白子持ちで産卵を控えているからだろう。
今回は尾鰭近くの身を刺身にしてみたが、やはり細長い魚の尾鰭前の味は素晴らしい。

焼霜造りにするとさごしがサワラになる


焼霜造り(あぶり)は近年、サワラの定番的な料理となっている。
取り分け70cm(やなぎ)以下はあぶった方が数段うまい。
今回の「さごし」は脂がそこそこ乗っていて甘みがあった。
サバ科らしいうま味も豊か。
そこに皮目をあぶった香ばしさが足されて、味に奥行きが生まれる。
薄切りの新玉ねぎとにんにく、すだちを添えたが、このツマ達がとても強い味方になってくれた。

さごしは安くていろんな料理に使える優れもの


八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産に三重県熊野市から「さごし(サワラ)」56cm・1.277kgが来ていた。非常に手頃な値段だったので買った。
いろいろ作り倒したが、まずは刺身と焼霜造りから。

三枚に下ろして腹骨・血合い骨を取る。
皮を引いて刺身にする。
皮付きのまま皮をあぶって氷水に落とす。水分をよくきり、少し冷蔵庫で寝かせる。これを刺身状に切る。
■舵丸水産は、一般客に優しいので、ぜひ近くにお住まいの方は一度お寄り頂きたい。

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