202505/01掲載
まだまだいけそう、石川県産マイワシの刺身
石川のマイワシの、脂の層が厚く、身に張りがある

関東の人間は海の幸では太平洋側に気が向きがちである。
だから入梅鰯などという言語を、さも全国的な言語と誤解する。
4月、5月は川崎北部市場の荷受け(大卸のことで世界中から魚を集めてきて競り、相対取引を主催する)だけの話ではあるが、石川県七尾からのマイワシの入荷が盛りを迎えている。
この分では七尾だけではなく、日本海全域でマイワシがとれている、気がしてきた。
さて、4月30日の石川県産マイワシは、卵巣・精巣がまだまだ未熟で、肋骨に張りついた身は真っ白である。
薄くそぎ切りにした刺身に醤油をかけて、しょうがとからめて、昼、ご飯の友とする。
切りつけてすぐ、刺身の表面が滲み始める。
口溶け感の心地よさに、よしこのが聞こえてくるようだ。
温めたご飯の減りが早い。
脂から感じられる甘味とご飯の甘味が口の中で結婚する。
そこに醤油の味がきて喉に消える。
5月1日の舵丸水産にも来ていて、料理人が争うように買っていく。
日本海のマイワシの旬は春なのだが、春の過ぎ去るのが寂しい。
腹も背も肥り肉で、で表面にぬめりがある

八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産に今日も石川県産のマイワシが来ていた。たぶん七尾(七尾市)のもので、能登半島の東側、富山湾側である。
石川県のよいところは富山湾と日本海両方の海の幸があることだ。
20cm・110g前後で生殖巣はあまり膨らんでいない。