202412/02掲載

近江・若狭丁稚羊羹を探す旅03 塩津浜『御菓子処 石田』の紅白まんじゅう

なぜか懐かしい、食ってうまい「紅白まんじゅう」


小学校の卒業式でもらったような、もらわなかったような。そんなおぼろ気な記憶しかない「紅白まんじゅう」である。
めったに食べる機会がないが、とても好きだ。
紅白なのにぱっとそたところがなく、実に地味。
ボクの勝手なイメージでは、それほど歌のうまくない、顔立ちもよろしくないのにド派手な着物をきた演歌歌手のようだ。
ボクの記憶の底にある1970年以前の色というか、古めかしさがある。

それにしても、「紅白まんじゅう」が大好きで困る。大の前に一億個くらい大をつけてもいいくらい、かも。
「紅白まんじゅう」とは、こしあん入りの「おぼろまんじゅう」の皮のあるやつだ。
「おぼろまんじゅう」が好きってのもある。
考えて見ると「紅白まんじゅう」の「おぼろまんじゅう」タイプもありそうである。

問題はめったに食べられないことだ。
ボクの故郷、徳島県美馬郡貞光町(現つるぎ町貞光)の幼児の時代は、家の前にある和菓子の『一屋』で、蒸かしているときだけ手に入るもので、数えるほどしか食べていない。

裏を返せば経木の座布団が


今回のものは、長浜市の直売所に納品に来た人から、手渡しでカゴに放り込んだものだが、この薄紅色と白に思わず踊ってしまいそうになった。
ララん♪ ルラん♪ っだ。

さて『御菓子処 石田』の「紅白まんじゅう」は、とても「紅白まんじゅう」らしい「紅白まんじゅう」だ。
裏に丸い経木張りついているのも理想的。

生地の厚みは薄からず、厚からず


何よりもこしあんがおいしい。
このこしあんを包んだ、ちょっと粗めの生地の厚みもジャストボク好みだ。
めでたいこと少ないボクの人生だけど、もっと「紅白まんじゅう」が食いたい。


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