202410/20掲載

今季初ハタハタの塩焼きは釧路産

今季初ハタハタは北から、そしてじょじょに南下してくる


関東で暮らしているとハタハタの時季は、秋(10月)から始まる。
10月からハタハタを食い始め、5月くらいまでがハタハタの時季だ。
不思議と、夏に、ハタハタ気分にはなれぬ。

市場では、秋に北海道の比較的大きなものが入荷してきて、やがて秋田県など東北日本海側のものがくる。春には山陰、鳥取県、兵庫県などがくる。
産地での味の違いはないと思っている。
成熟していない若い個体の方が脂があり、成熟が進むに従い脂が減る。
雌の真子(卵巣)が硬くなったものはそんなにおいしくない。
成熟個体は、真子よりも白子の方が味があるので、大きくなる雌よりも雄の方がうまい。

いきなり真子をがぶりとやって、我は子供なりと叫んでみる


今季初もの釧路産は素晴らしい、としかいいようのないものだった。
売られていたのは、雌ばかりで卵巣が少し膨らんでいたが未成熟で、卵巣は少しねばっとしていた。
この未成熟の卵巣から食べるという、ちょっと邪道で、子供っぽい食べ方をしてみた。
これが大正解。
ハタハタは大人食いではなく、子供っぽく食うべきだと、久しぶりに食べて気がついた。ついでに言うと、太宰治のように野蛮に食うべきでもある。
後に残った身だって、あえて言うといちばんうまい部分だった皮だって、全部主役級の味だった。
今季、ハタハタは幸先よし。

初手の釧路産はいきなり上の上


八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産に北海道釧路市からハタハタがやって来ていた。体長19cm・120gと比較的大振りで腹を触ると卵巣が柔らかい。ハタハタを選ぶポイントがこの卵巣の柔らかさだ。
成熟すると卵巣が硬くなり、ぷちぷちと面白い食感だが、味がない。
帰宅したらまずは表面のぬめりをタワシで軽く流す。
腹がきれいな魚なので、そのまま水分を切り、振り塩をしてビニールに入れて寝かせる。
あとは焼くだけである。
■舵丸水産は、一般客に優しく、水洗い・下ろしなどをやってくれるので、ぜひ近くにお住まいの方は一度お寄り頂きたい。

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ハタハタのサムネイル写真
ハタハタ英名/japanese sandfish,Sailfin sandfish海水魚。水深100〜400メートルの大陸棚砂泥地。産卵期に2〜10メートルの浅場に移動する。北海道太平洋沿岸、オホーツ・・・・
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