202410/20掲載

小ヤリイカげそ焼きそばで感じるノスタルジア

東京風の焼きそばでは徳島県人ははしゃげない


今回はどうせもいい徳島県西部生まれの無駄話をば。
ボクは生来、甘い加賀屋のお好み焼きソースが好き、という話をしたいだけで、小ヤリイカの焼きそばの話がメインではない。
1960年前後、徳島県美馬郡貞光町(現つるぎ町南町)で、幼児の脚でもほんの数分のところにあったお好み焼き屋『吉田屋』にときどき通ったものだ。そのときの、焼きそばは脂身の多い牛肉を使ったものが贅沢だったが、豚肉はなかった。
小学生になって「墓場の鬼太郎」を読むためだけに行っていた、お好み焼き店で初めて牛肉入りのお好み焼きを食べたはず。
考えてみると当時は卵入りお好み焼きも贅沢で、普通は天かすとキャベツしか入っていなかった。もちろんイカ入りは食べたことがない。
イカ入りのお好み焼きや焼きそばを初めて食べたのは、貞光中学校のときで、学校近くの『ひまわり』だった。『ひまわり』のお好み焼きは貞光町民には革新的だった。
そしてどの店でもお好み焼きソースは甘かったのだ。
以上、徳島県山間部生まれが感じる典型的なノスタルジアなのだ。

加賀屋のソースがないので、我が家で作る東京の焼きそばは、敢えて言うと、八王子原住民風だ。
八王子の魚屋数人、すし職人などに聞くとウスターソースか中濃ソースで味をつけるという。
これじゃ味気ないのでケチャップを加えているが、ただただうまいだけで、はしゃいだ気分にはなれない。
ラードで炒めたイカは意外にいい味出しているし、柔らかいのも魅力だと思う。
でもやっぱりやっぱり、加賀屋のソースがないと徳島県人は焼きそばを食べた気がしない。
こうなったら今年中に徳島に帰ろう!

手間暇掛けた割りに魚屋のイカパックは安い


八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産で小ヤリイカをおろしたものを買った。
解体して皮を剥き、げそなど別々にパックしている。
持ち帰ったらすぐに、天ぷらにも使えるし、和え物などにも使える。
この魚屋がパック詰めしたお買い得品くらい助かるものはない。

始めにイカをしっかり炒めることから


これでやきそばを作る。
焼きそば用の蒸し麺は埼玉県川島町でかった太麺。
軽くほぐしておく。
ラードでいかげそと耳を痛める。
キャベツを加えて焼きそばを炒め、ウスターソースとケチャップ少々で味つけするとともにニラを加える。
■舵丸水産は、一般客に優しく、水洗い・下ろしなどをやってくれるので、ぜひ近くにお住まいの方は一度お寄り頂きたい。

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ヤリイカのサムネイル写真
ヤリイカSpear squid海水生。北海道南部以南、九州沖から黄海、東シナ海沿岸・近海域。沖縄を除く日本列島をぐるりと取り巻くように棲息している・・・・
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