202409/25掲載

見つけて心躍る、オアカムロ

赤い尾を見ただけで、そわそわもじもじしてしまう


見るだけで、食べたくてもじもじする魚がいくつかあるが、オアカムロもそのひとつだ。しかもこの日、小田原にあった固体は体長35cm・500gの大型である。
競りが終わってそーっとのぞいてみたら、ヤオマサの緑の紙が浮かんでいた。
脱兎の如く、ヤオマサのナイトウさんを探す。
ボクなどこれだけで体重1㎏減だから、結果よしだったかも知れぬ。

帰宅して下ろしながら中骨下の腎臓をこしこししただけで、脂の乗りが伝わってくる。
帰宅後一休みし、逢魔が時に刺身にする。
皮を引くと表面が滲んでくる。
脂が室温で溶け出しているのだ。
一切れ、味見しただけで天にものぼる思いが募る。
やはりボクはムロアジ属が好きだけど、とりわけオアカムロが好きかも。
ただし、ムロアジが揚がり始めると同じ事を書きそうだが、ご容赦を。

さて、一切れの味のインパクトが強いので、久しぶりに本物ビールをあける。
カツオの刺身が日本酒よりもビールに合うのに似ている。
500gサイズを半身食べてももの足りない。
もう半身と思いながら、小田原からたくさん連れ帰ってきているときなので、ひとり悶え苦しむのである。
魚の旬がわかりにくくなってきているが、相模湾のオアカムロはこれからもっとよくなるはずだ。
今年はアアカ三昧したいものだ。

これぞと思う魚には必ず緑色の紙がある


9月20日、神奈川県小田原魚市場、米神定置で揚がったもの。見つけた途端に喉から手が伸びそうになる。
スーパーヤオマサ、ナイトウさんに1尾分けていただく。まことに申し訳なし。
オアカムロはムロアジ属なので持ち帰ったらすばやく水洗いを済ましておく。
三枚に下ろし、腹骨・血合い骨を取る。
皮を引いて刺身状に切る。
小田原で揚がるものは鮮度抜群なので、よほどのことがない限り大丈夫だが、アジ科ムロアジ属の魚は血合いが大きく、うま味であるイノシンが豊富だが、ヒスチジンも多い。もしもヒスタミンに過敏な方であれば要注意。

このコラムに関係する種

オアカムロのサムネイル写真
オアカムロRoughear scad海水魚。大陸棚縁辺の表層〜水深360m。小笠原諸島、千葉県〜九州南岸の太平洋沿岸、九州西岸の東シナ海、東シナ海大陸棚縁・・・・
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