アカタマガシラ
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25cm SL 前後までになることが多く、希に最大35cm TL 前後になる。比較的小型の魚だ。アーモンド型でやや側へんする。背部の鱗は目の中央部分まで達する。 25cm SL 前後になる。最大35cm TL 前後になる。アーモンド型でやや側へんする。背部の鱗は目の中央部分まで達する。
魚貝の物知り度 |
★★★★ 知っていたら達人級 |
食べ物としての重要度 |
★★ 地域的、嗜好品的なもの |
味の評価度 |
★★★★ 非常に美味 |
分類 |
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目イトヨリダイ科タマガシラ属
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外国名 |
紅副赤尾冬、紅尾冬仔、紅奇黑仔、紅哥里、海鯽仔、海鮘仔、赤海鮘、赤尾冬(臺東)、紅魚(澎湖諸島) Rosy dwarf monocle bream
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学名 |
Parascolopsis akatamae Miyamoto, McMahan and Kaneko, 2020
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漢字・学名由来 |
漢字 赤玉頭 Akatamagasira
由来・語源
『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1936、第二版1943)には学名のみ記載。
『魚類の形態と検索』(松原喜代松 岩崎書店 1955)にはシコクタマガシラという和名がある。これは国内での標本が高知県産だったため。
『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)にはシコクタマガシラを和名とし、別名アカタマガシラとしている。
シコクタマガシラとアカタマガシラの併記時代は長く、『日本産魚類検索 全種の同定』(中坊徹次編 東海大学出版会 1993)でアカタマガシラに統一された。
タマガシラに似て(同属で)赤いという意味。「たまがしら」は神奈川県江ノ島周辺での呼び名。意味は不明。 |
地方名・市場名 |
ビタロー 参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 場所沖縄県南城市知念漁協 ヒメダイ ムギンダゴ 参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 場所鹿児島県種子島 |
概要
生息域
海水魚。水深50-100mの岩礁域、砂底。
千葉県館山、八丈島、駿河湾、土佐湾、[高知県土佐清水/成魚数匹まとまって]、高知市柏島、屋久島、琉球列島。台湾南部、南沙諸島、フィリピン諸島、インドネシア、アンダマン海、スリランカ、紅海〜南アフリカ。
生態
基本情報
比較的珍しい魚。関東の市場ではまったく見かけない。上質の白身で産地周辺では珍重されているのではないかと思える。
水産基本情報
市場での評価/主に産地周辺で消費されている。比較的安い。
漁法/
産地/鹿児島県
選び方・食べ方・その他
選び方
触って張りのあるもの、鰓が赤いもの。体色の赤が鮮やかなもの。
味わい
旬は冬から初夏だと思われる。
鱗は薄く大きく取りやすい。皮は比較的しっかりして硬い。中骨はやや硬いが他は軟らかい。
透明感のある白身で、この透明感は長持ちする。熱を通しても硬く締まらない。
料理の方向性
非常に上質の白身で熱を通しても硬くならないので煮る、焼く、ソテーなど料理法を選ばない。
栄養
危険性など
食べ方・料理法・作り方
アカタマガシラの料理法・調理法・食べ方/生食(刺身、皮霜造り)、ソテー(バター焼き、ポワレ)、煮る(煮つけ)、焼く(塩焼き)、揚げる(唐揚げ、天ぷら)、汁(潮汁)
アカタマガシラの皮霜造り 単に刺身にしても悪くないが、皮目を生かしてより美味になる。皮にうま味と風味があり、身に甘みがある。
アカタマガシラのバター焼き 皮付きのまま塩こしょう。最初はサラダ油などでソテー、仕上げにバターを加えて焦げ目をつける。最後にしょうゆをたらすとおかずになる。
アカタマガシラの煮つけ 煮ても硬くならず、身に甘みが増す。ここでは比較的薄味に煮てみたが非常に美味。骨までしゃぶってしまいそうだ。
アカタマガシラの塩焼き 皮に甘い香りがあり、身は熱を通すと適度に締まる。甘味が強く非常に美味。みそ漬けや酒粕につけてもいいかも知れない。
アカタマガシラの唐揚げ 皮目に切れ目を入れて、片栗粉をまぶしてじっくり二度揚げしたもの。表面はかりっと香ばしく、白身は甘味があってしっとりしている。
アカタマガシラの潮汁 あらを湯通しして冷水に落とし、鱗などを取る。水分をよく切り、昆布だしに入れて火をつけて煮だして塩・酒で味つけしたもの。
好んで食べる地域・名物料理
加工品・名産品
釣り情報
歴史・ことわざなど