202408/19掲載
観音崎沖のアジは昨日のカレー
アジの刺身はとりたてて騒ぐほどではないおいしさだけど、おいしいね
クリックで閉じます
木皿泉の『昨日のカレー、明日のパン』があまりにも好きで、ときどき鬱に落ちると読む。東京神田神保町、東京堂のお勧めコーナーに並んでいて、いつもはこのコーナーの本を買わない主義なのに買った本。タイトルからもわかるように悲喜劇はあるものの、日常がなんとなく過ぎていくという、起伏がないのに強い引力がある小説である。
ボクの人生もこんな感じかなと観音崎灯台沖の、特上のマアジを食べながら思ったのだ。
有名な、神奈川県横須賀市走水の大アジもいいけれど、個人的にはもう少し小さいほうが好き。
釣り師ではないので釣りアジではなく、アジの味が大切なのだ。
刺身はここ数ヶ月でトップの味だった。
脂はほどほどながらうま味があり、釣り上げて首を折って、丸一日なので食感も豊かである。
ジンの薄めの水割りを飲みながら、ついつい箸が伸びる。
止まらない。
1尾丸ごと食べきってしまいそうなので、途中でふと箸を止めて考えた。
3分の1を醤油にみりん少し、しょうがの漬けにして仕舞う。
ちょっともの足りないのも結構じゃござんせんか。
朝ご飯に漬け茶ではなく漬け丼
クリックで閉じます
翌日はパンではなくて、アジ茶漬けとするつもりだった。
漬けの漬け具合が実にいい。
ごまと大葉、ねぎをプラスして、ご飯に乗せて、一口二口、三口、と食べ始めたら止まらない。
アジのうま味豊かであることと、発酵調味料のおいしさ、薬味で、まさかまさか、まさかの漬け丼のまま食べ終わる。