202408/04掲載

アカガレイはいつ煮つけてもうまい

こってこってでとても甘い煮つけを作る


こってこっての甘辛煮にしたカレイの煮つけほどうまいものはない。
特にチンしたばかりでも、炊きたてでもどっちでもいいけど、温かいご飯と一緒にするとまるで鉄人28号なのだ。
合間の漬物も、汁もはじき返して煮つけだけで仲睦まじく、で完結する。
しかも今回のアカガレイは非常に素晴らしかった。
スーパーに並んでいるのを見て惚れた。
煮た身がふくらんで甘く、皮にはちゃんとカレイ特有の野生が存在する。
こってこってだからこそ、余計にアカガレイの本質が強く浮き上がる。
カレイの煮つけほどうまいものはない、と痛感するとともに、今回のアカガレイがよすぎ、だった。

スーパーや魚屋の切り身ってとても便利


スーパーマニアなので近所のスーパーは日々のぞいてまわっている。水産生物をヒトとの関わりを調べていると、スーパー回りは欠かせないためだ。
カレイのパックが土曜日の混み合ったスーパーで、ひっそりだれにも注目されず並んでいた。
北海道産のアカガレイであった。とてもいい、と思ったので思わず手が伸びた。
アカガレイは煮つけ用カレイとしてはマコガレイに次いで高い。
昔の人だと、「ちょっと贅沢ね」と言って買う物だった。
ボクは、1970年代半ばから東京都民だが、カレイの煮つけは都民に絶大な人気を誇っていた。
実際、新小岩や平井、小岩などの定食屋さんで真っ先に食べたのもカレイの煮つけである。
山間部育ちなので魚に馴染みがなかった。
むしろ嫌いだったが、この東京風こってこって煮つけに魅力されたのだ。
先日会った関西人も、こってこってが関西風だと言っていたので、意外に全国共通の味つけなのかも知れない。
この誰にでも愛されていたカレイの人気が急落中である。
これはカレイの煮つけを上品に煮ようとか、持ち味を生かした味つけにしようと思うからだ。
もっと自分の欲望通りに味つけて、食おうじゃないか!

個人的には湯通ししてていねいにぬめりを取る


スーパーの切り身なので鰭を少し成形し(少しトリミングする)、湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。
もともと魚がそんなに好きではなかったので、湯通ししているが、気にならない人はそのまま煮ればいい。
前回魚を煮た汁で今回煮て、追い醤油・追いみりんをした。
本来の煮汁は酒・みりん・醤油・水を煮立てる。
温かい煮汁に入れたが、冷たい煮汁から煮てもかまわない。
温かいときに入れるとカレイの味が煮汁に逃げないが、些細な違いでしかない。
こってこって甘辛味にしたかったので、今回は追いみりんをした。
もちろん砂糖をどばっと入れてもいい。

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アカガレイのサムネイル写真
アカガレイFlathead flounder 海水魚。水深40-900mの砂泥地。北海道全沿岸、青森県〜対馬海峡の日本海沿岸、青森県〜福島県の太平洋沿岸。渤海、黄・・・・
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