202407/18掲載

脂は乗らないけどうま味あり、ウルメの刺身

刺身は当日だけの味なので、産地周辺だけのものかも


ウルメイワシとマイワシは成長に伴って優劣が変わる。
最初はウルメが上で成長するにともなって、もちろん好みはあるが、じょじょにマイワシに追い越されていく。
目の前にあるウルメイワシの刺身は豊かな味わいがあり、舌に乗せると味があり、その味がすぐに消え去らない。
問題は今とれているマイワシに脂があって、ウルメイワシに脂が少ないだということかも。
比べなければ実にうまいのだけど、一緒にとれるとマイワシを選びそう。
でも盛り合わせるとより面白いかも知れない。
酢みそや柑橘類をそえて、とか。

たった一ヶ月で一まわり大きくなった


神奈川県小田原魚市場二宮定置であがったウルメイワシは、16.5cm・50gだ。
春には小ウルメがやって来て徐々に成長し、秋にかけて一まわり大きくなる。
土佐湾などのような超大型はいないが、成長したウルメイワシの刺身はいちだんと味がよくなる。
その頃がまた楽しみでもある。
ちなみに広い意味ではニシンやマイワシの仲間である。ただし、ウルメイワシ科の魚は熱帯域に多く、本州などには本種のみが生息している。古くはキビナゴも同じ科であったが今はキビナゴ科となって独立した。
ウルメイワシは頭を落とし、手開きにして皮を剥く。
骨はあまり気にならないが目につく骨は抜く。
これを斜めそぎ切りにする。
塩と柑橘類で食べてもいいし、醤油で食べてもうまい。
基本的に小田原では干ものに加工される魚だが、刺身などにしてもおいしいことだけは知って置いていただきたい。

このコラムに関係する種

ウルメイワシのサムネイル写真
ウルメイワシRound herring, Japanese sardine海水魚。北海道南部〜九州南岸の沿岸、東シナ海。希にピーター大帝湾、朝鮮半島南岸・済州島、台湾、中国東シナ海・南シナ海・・・・
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