東京湾猿島沖タチウオのかりかりパスタ
魚のパスタは難しい、そんなときはプロに聞く
市場のよいところは、そこにプロがいることだ。甲殻類のエビや軟体類の貝やイカのパスタは至って簡単だが、魚のパスタの作り方が思い浮かばない。そこにフレンチのル・トンさん(八王子市で、市場ではみな屋号で呼び合う)がやってきた。
飛んで火に入る夏の虫とはこのことである。魚のパスタに関してアドバイスしてもらって、これはいけると思ったので、お礼はさわやかな「ありがとう」で帰ってきた。
魚の身をかりっとソテーして、パスタに混ぜ込んで刻んだケーパーを加えたら、実に夏向き。だいたい1㎏級のタチウオを使った時点で、イカしてるぜ! 的だと思う。
カッペリーニにしたのはボクの思いつきだけど、これだって大正解だった。
いいオリーブオイルを使ったので軽い味であり、しかもタチウオの濃厚なうま味がカッペリーニにもオリーブオイルにも染み、染みしている。
ゴージャスな朝ご飯で王様気分、なーのだ。
しかもイケないとは思いながらも、朝っぱらから勝沼の一升瓶ワインを1パイ。
ちょっと田中小実昌気分にもなった。
1㎏を超えたタチウオは高級すぎるし、うますぎるし
さて、久しぶりに八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産に行ったら、デカいタチウオが並んでいた。隣でクマゴロウがわはっはと笑っている。たぶん東京湾で釣ったのだろう。
いちばんデカいのを1尾連れ帰る。
昔市場で伊豆半島以西と言われていたタチウオが相模湾でもたくさん揚がり始め、ついに東京湾横浜沖という湾奥まで侵入してきた。今や関東周辺はタチウオがとれてとれてコマッチャウ。TTK状態である。
ちなみにTTKは今はなき、週刊朝日のパクリだ。MMKなんて時代は面白かったものである。
以上は前回、前々回にも書いた。
イタリアンのよいところは材料がシンプルなところかも
タチウオの刺身の切り落としや腹の部分を集めていく。
材料はここににんにくとケーパー、イタリアンパセリだ。
カッペリーニのゆで時間は5分なので、投じたと同時ににんにく風味をつけた多めのオリーブオイルで細かめに切り、塩コショウしたタチウオをかりっするまでソテーする。
ここにゆで上がりのカッペリーニを放り込み、刻んだケーパーとイタリアンパセリの茎を加えて混ぜ混ぜする。
なんて簡単な♪ 朝〜ご飯か♪ なんて歌っている内に出来上がる。
後は盛り付けてイタリアンパセリを散らすのみ。
昔、夕食を御馳走になっていたイタリア系のアメリカ人のバアチャンは、ここにどばっとオリーブオイルをかけ回していた。やってみたい気もしているが、今回もやれなかった。