202407/05掲載

東京湾猿島沖、タチウオ1㎏上の太刀きゅう

タチウオのつけ焼きにきゅうりもみを合わせただけ


久しぶりに八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産に行ったら、デカいタチウオが並んでいた。隣でクマゴロウがわはっはと笑っている。たぶん東京湾で釣ったのだろう。
いちばんデカいのを1尾連れ帰る。
昔市場で伊豆半島以西と言われていたタチウオが相模湾でもたくさん揚がり始め、ついに東京湾横浜沖という湾奥まで侵入してきた。今や関東周辺はタチウオがとれてとれてコマッチャウ。TTK状態である。
ちなみにTTKは今はなき、週刊朝日のパクリだ。MMKなんて時代は面白かったものである。
以上は前回書いた。
1㎏もあるといろんな料理が作れる。
「太刀きゅう」もそのひとつだ。
ウナギで作れば「うざく」、焼き穴子で作れば「穴子のざくざく」で、ざくもざくざくも関東の「きゅうりもみ」のことである。
我が家では夏になると、基本的な「きゅうりもみ」を多めに作り置きする。
作り方は簡単で、薄切りきゅうりに塩をして殺し、流水で余分な塩気を流す。
よくよく水切りして、甘酢(酢・砂糖)につけて冷蔵保存する。
これに焼いた油揚げを加えたり、魚の酢の物と合わせたりする。
ときどき魚の干ものをほぐして入れたりもするし、そのまんまきゅうりだけで食べることもある。
これに厚く焼き直した「うなぎの蒲焼き」を添わせたのが「うざく」だけど、タチウオのつけ焼きを添わせたのを「太刀ざく」では音が悪すぎるので、「太刀きゅう」と勝手に決め込んだ。
さて、タチウオの尾っぽや腹の部分を素焼きにして、みりん・醤油同割りのたれをつけて仕上げる。
「きゅうりもみ」を盛り付けたところに熱いうちに添わせ、山椒を振ったただけなので、夜中でもできる。
甘辛くて香ばしいタチウオのつけ焼きは口に入れると、ほろりと崩れる。
大好きな山椒の香りが猛暑のときに体を癒やしてくれる。
おいしくはあるものの単調な味であるところに、「きゅうりもみ」が大活躍してくれる。
口の中できりりと締まり、そこに酒でも流し込むと、暑い盛り、やっと一息つけた深夜酒にとても合うのだ。

穏やかな肴には華やかな酒が合う


合わせたのは山梨県北杜市、『七賢 向秀』で、ちょっと騒がしい酒だけど、地味な味わいの肴には好都合かも。


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タチウオのサムネイル写真
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