202407/05掲載

いいメイタだ、と思ったら江戸前だった

野締めなので白く曇った刺身になった


かれこれ1年振りにメイタガレイの刺身が堪能できた。東日本ではめったによいものが手に入らず、メイタといえば煮つけとか塩焼き用だと雑な扱いを受けているのだ。
刺身のマコガレイにはない独特の風味、強いうま味は関西人ならずともわかるはずだと思うけど、いかがだろう
これが活け締めなら透明感のあるきれいな刺身になり、食感も心地かっただろう。

見た目はけっしてよろしくない、美しくない


八王子綜合卸売センター、福泉に、大振りのメイタガレイがあった。水氷(水に塩を溶かし込んで氷を入れたもの)なので、関東周辺だろうと思ったら、横須賀東部だった。
神奈川県横須賀はとても大きな市で、三浦半島で東京湾に面し、相模湾にも面している。東部漁協は東京湾側なのである。豊洲市場などでも東京湾=江戸前として値段がつく。当然、メイタガレイも江戸前なのでで高いのかな? と値段を見たら安い。
メイタガレイはカレイ類(カレイ科)の中でも屈指のおいしさであるが、実は関東ではあまり馴染みのない魚なのだ。
大阪の市場で活魚で売られていて、それなりの値段をつけているのと比べると、不思議なくらい目立たない存在でしかない。
余談になるが、メイタガレイに「ばけ」がいる。「ばけ」とは見た目がそっくりだけど、味が落ちる魚のことをいう。
そこまで貶めなくてもいいと思うけど、西日本ではメイタガレイと「ばけ」であるナガレメイタはちゃんと分けている。東日本ではどちらもメイタガレイでしかない。扱いに無頓着なのだ。
だからこれほど見事なメイタでも安く買えたわけだが、なんとなく複雑な気分になってしまう。なぜか? メイタガレイが取り分け好きだからだ。
今やマコガレイはほんとにこれが魚の値段なんだろうか、といった高騰ぶりだが、同じように活魚で出せるはずのメイタを野締めでというのも、東日本ならではだろう。
ボクはメイタガレイとマコガレイの活魚なら同等だと思っている。

皮を剥いて調理して欲しいので、まずは皮むきから


さて、野締めみたいだけど、鮮度が抜群にいい。産地が至近にあるためもあるだろうけど、それ以上に分厚いのである。
ほんらい野締めは刺身にしないのだが、ものは試しで造ってみた。
まずは皮を剥く。
頭部と内蔵を取り去り、5枚下ろしにして刺身にする。

このコラムに関係する種

メイタガレイのサムネイル写真
メイタガレイFrog-flounder, Finespotted flounder海水魚。水深100mよりも浅い砂泥地。秋田県〜九州西岸の日本海・東シナ海沿岸、仙台湾〜豊後水道の太平洋沿岸、瀬戸内海。・・・・
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