202406/17掲載
5月28日、ぜんなの卵とじ丼が主役
外洋の波で磨かれたような美しさがある
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5月後半になり、八王子の市場にも、また近所のスーパーにも「ぜんな(チョウセンハマグリの小型)」が並んでいる。
チョウセンハマグリは千葉県では重要な二枚貝である。内房のアサリがやや低調なので漁獲規制が厳格なはずである。きっと小型をとる理由があるのだろう。
なんども書いているが、朝鮮蛤は江戸時代後期に生まれた名で、この言葉に知識人の憧れの気持ちはあっても差別意識はない。「身近な」に対して「遠い」という意味がある。
江戸時代から江戸前、江戸湾にいるのが標準和名ハマグリで、外洋に面した九十九里や外房でとれたのがチョウセンハマグリだ。輸送に強い二枚貝なので、九十九里で揚がると銚子を経て日本橋にある魚河岸まで運ばれていたはずだ。
同じような例は内湾生のアカガイと外洋性のサトウガイにも当てはまる。
昔は内湾生のハマグリを「本」、外洋性の本種などを「ばち(場違)」として、「本」と比べて安かったが、最近、二枚貝は大きさで価格が決まるので、本種は決して安くない。逆転現象も起きている。
今回、朝ご飯のために八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産で2握り買ってきた。
丼だけで食べると早食いしすぎて体によくない
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表面のぬめりをザルなどで洗い。
少量の水で蒸し煮にしておく。
冷めたら貝殻と身をわけ、身は蒸し煮にしたときの残り汁と一緒にしておく。
小鍋に残り汁、みりん少し多目、醤油を煮立てた中に玉ねぎを加え、身を戻し、火を通して溶き卵でとじる。
三つ葉を散らす。
これをご飯の上に乗せて、「ぜんなの親子丼風」とでも言えそうなものが出来上がる。
淡竹となまり節煮、さつまいもの味噌汁(小トビのだし)、ウワゴールドを添えて遅い朝ご飯にする。
一気食いしがちな丼ものもおかずが多いとゆっくり食べられるという利点がある。