202403/07掲載

トルコ風サンドをタチウオの尾で作る

非常に少ない材料で作れる、トルコ風サンドイッチ


さて、非常に大昔に作ったトルコの魚のサンドイッチ(Balik Ekmek)」は写真しか残っていないけどどんなものだっけ? から始まって、古いサバサンドの写真の、パンの見た目がフランスパン(我ながら古い表現だけど)のようだった、とか、サバ(サバ属)はトルコなので、Atlantic chub mackerel だろうと考えた。
また、トルコ暮らし経験者曰く、Balik Ekmek だったら魚ならなんでもよく、イカなどでもうまいらしい、とかとか。
こうなったら徹底的に、Balik Ekmek なのだ、ということにあいなった。
小さなマサバやゴマサバ、サゴシ(サワラの小さなもの)などに向いていそうだし、タビノヒモなんて呼ばれている小さなタチウオで作っても、小イカで作ってもうまそうだ。
今年は徹底的にトルコ風サンドを作るのだ! というのがここ1、2ヶ月の課題。
さて、八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産、クマゴロウが相模湾にタチウオを釣りに行った。その釣果たるやまるで漁師のようだった。その中のいちばん小さいのを選んで持ち帰ってきた。ただし、84cm・345gはそんなに小さくない。
トルコ風サンドイッチのタチウオの課題は、相模湾でカンナクズ(鉋屑)と呼ばれているリボンくらいのサイズだけど、禁足状態なので小田原に行けるわけでもなし、で仕方ない。
ちなみに、未利用魚解消で重要なのは種(アイゴやイスズミなどなど)のことだけではなく、むしろ成長段階での未利用の方が深刻なのである。タチウオの若い個体はほぼ価値がない。コノシロ大がおいしいのに無価値なのの真逆である。
今回、幅広の部分は刺身にし、塩焼きにして、残りの尾に近い部分で作ってみる。
材料はレタスとオリーブオイル・にんにくに浸した紫玉ねぎ、イタリアンパセリやパプリカも用意した。
香辛料は白コショウ、カイエンヌペッパー、クミンシード。

タチウオの尾が揚がったら熱い内に挟む


尾に近い部分を切り取って塩コショウする。
これに薄力粉の全粒粉をまぶす。これはトルコに住んでいたことがある友人が「真っ白い国内にあるやつではなく、粗くて粒が揃っていない粉だった」と言ったからだ。別に普通の小麦粉でもいい。
これをさくさくするくらいに揚げて温めたバゲットに挟む。
このときカイエンヌペッパーにちょっとだけクミンシードを振る。
クミンシードが中近東の感じを出してくれているような気がする。
ついでに。ボクは最近、塩がダメなので、非常に薄味である。普通に考えると紫玉ねぎのオリーブオイル漬けとか、野菜とかに振り塩をしてもいいと思う。
今回わかったことは、なぜバゲットなのか? ということだ。トルコのパンは多彩で、フランス風のパンもあるということらしい(たった一人の話)。だからバゲットである必要はない。

挟んだら、ぎゅっと押しつけると出来上がり


ただ、実際に食べてみると、このしっかりして硬いバゲットの方が食べ応えがあり、かなりがんばって咀嚼しないとダメなのだけど、それによって具をちゃんと味わえるのだ。
揚げたタチウオは端的においしくて、パンや野菜の中で浮き上がってくる。
絶妙うまい! その上に、お昼ご飯として満足度100パーセントだ。

このコラムに関係する種

タチウオのサムネイル写真
タチウオ英名/Largehead hairtail, Cutlassfish, Scabbardfish,Hairtail,Ribbonfish 갈치海水魚。大陸棚。北海道全沿岸〜九州南岸の日本海・東シナ海・太平洋、瀬戸内海、東シナ海大陸棚。渤海、黄海。[山形県鼠・・・・
詳細ページへ

関連記事 ▽




呼び名検索

方言を含む全ての名(標準和名,方言,呼び名,外国名,学名)から水産物を検索します。

閉じる