202402/14掲載

ボラの塩焼きにオリーブオイル

洋皿に盛り、ご飯も洋皿に盛ると、本当に洋になる

ボラの塩焼き

おもむろになんですが、さかな通とは食通と同義語ではなく、さかな(水産生物)の、種の保存を考えながら、自然に優しく、合理的に食べることである。世に食通というか、食べ方や料理法に口うるさく、無意味なことを言いたがる人がいるが、商売ならいざ知らず、そのようなモノはみな幼稚なのである。一般人、普通の人には、あくまで普通に、平凡に、さかな(水産生物)や自然保護を考えながら、食べてもらいたい。
また、毎日食べる料理に関しては、この国の伝統的なもの守りつつ、無国籍になるべし、といいたい。今やこの列島は熱帯・亜熱帯になる日も近いと思う。伝統を守るだけでは多様に多様な種を食べて自然を守ることが難しくなっている。
さて、八王子総合卸売協同組合、舵丸水産で、神奈川県佐島(三浦半島の西側)産42cm・1.1kgのボラを買ったのは、作りたかった料理があるからだ。
我がサイトにときどき手伝いに来てくれる若い衆がいる。国籍はいちいち聞かないが、なんとなくイスラム系かなと思っている。ある日、肉を食べないようなので、魚の塩焼きを食べるかと聞いたら、うなずくので焼いてあげた。
見ていたら冷蔵庫に入っていたイタリアンパセリ、フェンネルなどをざっと刻んでかけて、オリーブオイルを回しかけて食べていた。これで白いご飯を食べているのがとても不思議だった。
ある夜、NHKで魚を食べている光景だったので、音声を上げたら、たぶん焼いた魚にオリーブオイルをかけているように見え、そこはイタリアだった。確か代々木のポルトガル料理の店でも同じようなものを食べた気がする。
最近、トルコのサバサンドが気になって、暮らしていた人間に話を聞くと、トルコでも焼いた魚をオイルと香辛料で食べるという。
魚食の国などというが、もうとっくに魚食の民が少数派となっている。米を食べなくなったのもあるだろうけど、この国の魚料理が不自由すぎるのだ。
さて、素晴らしい佐島のボラを三枚に下ろして中骨・血合い骨を取る。
塩コショウして(コショウは不要かも)少し置き、じっくり焼き上げる。
まだ熱いうちににんにく風味のオリーブオイルをかけ、パセリを散らす。
今回はチリパウダーをかけてみた。

脂ののった魚にオイルは相乗効果では亡く、調和を生む

ボラの塩焼き

脂ののった魚(ボラ)にオイルが屋上屋を架すのかと思ったら、むしろ軽みを加えてくれたようだ。
くせのない上品な味わいで、非常に軽い味わいなのにうま味がたっぷりである。
パンにも合うが、意外にご飯にも合う。
平たい洋皿にご飯を盛ったせいかも知れないが、飯ではなくライスになっている。
考えてみるとこのような料理のときは茶碗ではなく洋皿がいい。
この塩焼きにオリーブオイルというのは食べ方であって、料理名はないと思うけど、もっと普及すると魚の消費が伸びると思う。
今年一年かけて総ての魚の塩焼きにオリーブオイル、もしくはごま油などなどオイル、油をかけてみるのだ。

このコラムに関係する種

ボラのサムネイル写真
ボラFlathead gray mullet, 밀치沿岸の浅場、河川汽水域、淡水域。オホーツク海をのぞく北海道〜九州南岸の日本海・東シナ海・太平洋沿岸、瀬戸内海、種子島・・・・・
詳細ページへ

関連記事 ▽




呼び名検索

方言を含む全ての名(標準和名,方言,呼び名,外国名,学名)から水産物を検索します。

閉じる