ボラの塩焼きにオリーブオイル
洋皿に盛り、ご飯も洋皿に盛ると、本当に洋になる
ボラの塩焼き
おもむろになんですが、さかな通とは食通と同義語ではなく、さかな(水産生物)の、種の保存を考えながら、自然に優しく、合理的に食べることである。世に食通というか、食べ方や料理法に口うるさく、無意味なことを言いたがる人がいるが、商売ならいざ知らず、そのようなモノはみな幼稚なのである。一般人、普通の人には、あくまで普通に、平凡に、さかな(水産生物)や自然保護を考えながら、食べてもらいたい。
また、毎日食べる料理に関しては、この国の伝統的なもの守りつつ、無国籍になるべし、といいたい。今やこの列島は熱帯・亜熱帯になる日も近いと思う。伝統を守るだけでは多様に多様な種を食べて自然を守ることが難しくなっている。
さて、八王子総合卸売協同組合、舵丸水産で、神奈川県佐島(三浦半島の西側)産42cm・1.1kgのボラを買ったのは、作りたかった料理があるからだ。
我がサイトにときどき手伝いに来てくれる若い衆がいる。国籍はいちいち聞かないが、なんとなくイスラム系かなと思っている。ある日、肉を食べないようなので、魚の塩焼きを食べるかと聞いたら、うなずくので焼いてあげた。
見ていたら冷蔵庫に入っていたイタリアンパセリ、フェンネルなどをざっと刻んでかけて、オリーブオイルを回しかけて食べていた。これで白いご飯を食べているのがとても不思議だった。
ある夜、NHKで魚を食べている光景だったので、音声を上げたら、たぶん焼いた魚にオリーブオイルをかけているように見え、そこはイタリアだった。確か代々木のポルトガル料理の店でも同じようなものを食べた気がする。
最近、トルコのサバサンドが気になって、暮らしていた人間に話を聞くと、トルコでも焼いた魚をオイルと香辛料で食べるという。
魚食の国などというが、もうとっくに魚食の民が少数派となっている。米を食べなくなったのもあるだろうけど、この国の魚料理が不自由すぎるのだ。
さて、素晴らしい佐島のボラを三枚に下ろして中骨・血合い骨を取る。
塩コショウして(コショウは不要かも)少し置き、じっくり焼き上げる。
まだ熱いうちににんにく風味のオリーブオイルをかけ、パセリを散らす。
今回はチリパウダーをかけてみた。