若ごぼうとケンサキイカのげそをたく
若ごぼうは関西では春野菜

葉ごぼう
魚料理を調べるなら、魚以上に野菜を知らなければならない。
ほんの数ヶ月前、テレビで野菜ソムリエ(あまりにも気持ちの悪い言語すぎて困る。使って恥ずかしくないのかい)と名乗る女性がフィンガーライムやイタリア野菜などを、注目を浴びているといって説明していた。フィンガーライムなんて2015年には築地で売られていて、今更だし、イタリア野菜なんて今や信じられないくらいたくさんの品種が売られている。
このような一見変わった野菜を説明することはバカでもできるけど、平凡な野菜、伝統的な野菜を説明するのはとても難しいのだ。変わった野菜もどんどん買えばいいし、見慣れた野菜もいろいろ買えばいいけど、ハレではなくケの中で生かして欲しい。
ガザ地区では子供が恐怖におびえて泣いているのに、この国では、毎日がハレという人が多すぎて困る。
知らない野菜はとにかく買ってみろ、というのがボクの考えである。
1990年くらいに和歌山県和歌山市で「葉ごぼう」を買い、数年後に大阪市木津の市場で「若ごぼう」を買っている。名前は違うが2つは同じものである。これはあえて言えばハレとか珍しい野菜ではなく関西では単に春の野菜らしい。実際、大阪市粉浜商店街のオッチャンは岡八朗のような顔をして「春になったら出て来ますぅぅ」と言った。
ちなみに大阪市天王寺そばで怪しい雰囲気のバアサマにお茶を飲んでけ、と脅迫されて座敷に通され、出て来たものは、まんじゅうと「若ごぼう」を炒め炊きにしたものだった。
ということで春に関西に行くと必ず買う、と言った野菜である。
これを八王子総合卸売センター、八百角の社長が仕入れてきていた。「若ごぼう」と言ったので大阪府八尾市のもので、早すぎるので温室栽培だと思う。
買えと言われて買ってきた。ちなみに市場の八百屋ではこんなものも買えるのである。スーパーばっかりでは見る目がなくなる。