202311/05掲載

刺身用二枚貝ではトップに君臨するツキヒガイ

漁が不安定な二枚貝だが鹿児島県でだけ安定的にとれる

ツキヒガイ

鹿児島県鹿児島市、田中水産さんにいろいろ送って頂いた中に、ツキヒガイがあった。
ツキヒガイはホタテガイと同じイタヤガイ科の二枚貝である。イタヤガイ科の二枚貝は世界中で食べられている。
国内ではホタテガイがいちばん多く、次いでアズマニシキの三陸型であるアカザラガイ、純粋なアズマニシキ、イタヤガイと本種である。
この5種の中ではイタヤガイと本種がおっつかっつでいちばんうま味が豊かだと思っている。ホタテガイは貝柱が大きいために味のボリュームが大きいのであって、同じサイズを食べるとこの2種よりも落ちる。
本種は一時島根県周辺でも盛んにとれていた、と思ったら激減したりと安定感に欠ける。唯一安定的にとれているのが鹿児島県である。
鹿児島県の西岸、東シナ海には非常に長い砂浜がある。イタヤガイ科には栄養分豊かでいながら汚染されていない。健全な海岸線がなければ生育出来ない。この健全な海で育ったからこそ、のうまさかも知れぬ。

ツキヒガイの刺身は二枚貝のなかでも最高峰

ツキヒガイの刺身

剥き身にして貝柱だけにして、軽く塩水で洗う。
水分をよくきり刺身に切る。
今回は黒い方の貝殻に乗せてみた。
小さいのに味の方が非常にデカイ。うま味だけで満足できると思ったら、終いに貝ならではの複雑な何かもちゃんと感じさせてくれる。

これはあくまでも脇役だけど、いい酒の肴

ツキヒガイのわた煮

ついでにわた(貝柱以外のウロという黒い部分を取り去った部分)をささっと塩水で洗って醤油・酒を煮立てた中で軽く煮てみた。
禁酒中なのだけど、宮城県気仙沼市、「鼎心」を水割りで少量。

このコラムに関係する種

ツキヒガイのサムネイル写真
ツキヒガイJapanese moon scallop, Saucer scallop海水生。水深10〜100メートル。房総半島・山陰〜九州。西太平洋。・・・・
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