ダンベ救出大作戦 小アジの唐揚げ
全部おいしい
捨てられる可能性すらある魚たち
梅雨の晴れ間で早朝なのに蒸し暑くなりそうな予感がする。ダンベから顔を上げて、一夜城の方向を見ると真上のやけに青青しい空の下、重たそうな雲が山波にのっかっていた。
久しぶりにあさる、神奈川県小田原市小田原魚市場、二宮定置のダンベの中身はお馴染みさんばかりだったが、大豆大のキタマクラやハシキンメの稚魚などなどが混ざり、相変わらず面白かった。
たくさんの生き物を土産にして、小田原を後にする。
道すがら、久しぶりにコンビニでクラシックじゃなくて黒い丸に☆のビールを買った。普段は偽ビールなので晴れがましい気分になる。最近、偽ビールと本ビールの違いがわかるようになってきたけど、本ビールと本ビールの違いはいまだによくわからない。
二宮定置のダンベ(大型容器)から拾える生き物は多種多様で、同定に苦しむ個体も少なくない。今回は魚類がほとんどだったので、難易度はとても低かった。
ちなみにこのダンベの中身、種はバラバラだけどうまい魚ばかりなのである。それだけに人の口に直接入ることなく、飼料などになってしまうのがもったいなくて仕方がない。
小アジの水洗いは簡単
撮影用の生物の中から小さなマアジだけ取り分けながら鰓ごと内臓を引っこ抜く。撮影するための、分類しながらの仕分けの、ついでのついでに料理をするといった軽い軽いやり方で、下ごしらえをしている感はゼロかもしれない。
ざっと洗って水分をよく拭き取り、近所で買ったまんじゅうが入っていた紙袋2つに分けて入れ冷蔵庫にしまう。
雑多な魚を仕分けして、きれいなものを選び、撮影準備して、撮影して、得た情報をテキスト化するのは、とても重労働なのである。
疲れると仮眠しいしいで2日ほど処理にかかる。
一段落ついたら、ビールを飲むために小アジの唐揚げを作る。
これはもうビールしかない
下ごしらえが済んだ小アジは紙袋で保存すると少し表面が乾き、サクサクとても香ばしく揚がるのだ。
揚げる1時間くらい前までに冷蔵庫から出し、片栗粉を袋に放り込み振る。
このまま1時間くらい放置し、もう一度紙袋を振り無駄な片栗粉を落とす。
これを低温の油に入れてゆっくり揚げる。
一度取り出して今度は高温で短時間揚げる。
これを二度揚げと言うがよく考えたものだ。
使った袋はとっておく。できればもう一袋の小アジの紙袋に輪ゴムでとめておく。
翌夕方、もう一袋の小アジを昨日とっておいた片栗粉が残った袋に放り込み振る。片栗粉を追って入れることは不要である。2日目なので目先を変えるために少量のカレー粉を加える。
あとは同じ要領で揚げるだけ。
小アジの唐揚げが、ボクのプチ贅沢である、黒い丸に☆のビールと合う!
材料費はなんと「ただ」。これも漁港通いのよさだが、このお宝がちゃんと流通し、利益を生み出し、直接人が食べる、そんな世の中にしたいと思う。
二宮定置のみなさんに大大感謝!