202510/16掲載
2025年秋高知旅日記10 古満目「かけのいお」作り
かけのいお、の魚はそのときどきで変わる

9月27日の朝、水揚げが大方終わったあとに『古満目水主大敷組合』、福見真路さんが隅の方で何かをやっている。
割り箸、竹のヘラ、ラジオペンチでクロホシフエダイの内臓を抜いているのだ。
聞くと「かけのいお」を作っているのだという。
「掛けの魚」のことで、「掛魚」ともいう。
2尾腹合わせにした魚を家内、もしくは建物のどこかに掛けて供物とする。
掛けるのは干した魚であることもあるし、生の魚を掛けることもある。
大皿などに2尾の魚を抱き合わせただけで済ませる地域もある。
農家や、漁家、商家などで行われているが、農家は五穀豊穣、商家は商売繁盛、漁師の場合、豊漁を祈願し、また豊漁の礼として供える。
年内のえびす講、正月、小正月など行われるが、職業で時期は違っている。
古満目では年度替わりの10月に新しいものに替えるのだという。
今回はクロホシフエダイだが魚はなんでもいい。
塩漬けにしてからからに干して「おみきすずり」に掛ける。
「おみきすずり」の「お神酒」はわかるが「すずり」がわからない。
この形で漁協の入り口に飾るのだという

「おみきすずり」の実物を見せてもらうと、背の高い木の箱で、上に持ち手が着いている。
持ち手の端に前回の「かけのいお」が飾ってあるが、アジ科であることは間違いないが種まではわからない。
米と塩はともかくタツノオトシゴには海を感じる

上が3つに区切られ、左右にお神酒が置かれている。
引き出しが上下2つある。
下には塩と米が上には乾いたタツノオトシゴが入っている。
片方に塩漬けにして乾燥した魚が腹合わせで藁で結わえられている