202504/19掲載
関東の上アジの主役、沼島産
お昼ご飯のおかずのひとつだけど、明らかに主役

関東には大きな荷主(大卸で日本各地水産物を集めてくる)がいくつもある。
それぞれ荷受けで得意とする地域があるが、兵庫県淡路島だけは全荷受けが仕入れてきている。
特にマアジは他の追随を許さない。マアジにも並(味が悪いというわけではない。むしろ味的に上だったりする)と上がある。
上アジは産地が限られている。
並は島根県以西、九州が主産地である。
東京などでのすし職人は、片身2かん(体長20cm)くらいを好んで使う。
料理人もこのサイズが好きな人が多い。
だから淡路の釣りアジがスポットライトを浴びる。
ただ、4月はまだ早い。
沼島(淡路島の真南にある島)のマアジが本格化するのはこれからである。
切りつけたものを口に入れても脂は少ないので、口溶け感はない。
脂がない分、マアジらしい味がある。
舌の上にのせても味的にだれを感じない。
「沼島はいいな」と思う瞬間である。
今季初めて買ったみょうがをくるりと巻いて、ご飯に乗せると実に味わい深い。
近年、季節を感じると悲しくなるが、このマアジなどまさに悲しみの種である。
季節を感じる食べ物しか食べないつもりだけど、うれしいような悲しいような。
これからは島根県の巻き網もの、定置もの。山口県の瀬つき、佐賀県・長崎県、鹿児島県など、マアジに困らない時季を迎える。