202503/15掲載

久しぶりに170g超えの浜田産マイワシ塩焼き

焼きたてを食うのが焼き魚のセオリー


窓を開けたら、ちょっとだけ春の風が感じられて、真下には満開の紅梅である。
梅が咲いたら日本海のマイワシがやって来る。

昔、知り合いの外人(マスコミの差別用語だけどドナルド・キーンは考えすぎだと思う)に都内神保町の魚専門の定食屋『魚玉』の前で、「魚を焼く臭いは大嫌いだ(日本語で)」と言われたことがある。
大羽イワシを焼きながら、「魚の焼ける匂いは大好きだ」と独りごちる。

真子持ちなのに身もたっぷりふくらんでいる


島根県浜田の大羽1尾で、お昼ご飯には充分だ。
振り塩は控えめにしている。
焼きたてに、しょうが醤油を振ってご飯に乗せて食べる。
単に塩焼きではなく、醤油が加わるだけでやけにご飯に合う。
合いの手に大根おろしを乗せて食うと変化が生まれる。
子持ちの割りに身がふくらみ、脂がたっぷりで焼きたての香ばしさは名状しがたい。
皮目の強い香りだけじゃない。身にも甘い香りがあり、身離れがいいので半身と真子を、5勺のご飯にのせて一気食いする。
昼ご飯のなんとあっけないことよ。

次は石川県七尾産で刺身定食にしようかな?
マイワシだらけの市場を頭に浮かべて、思わずにんまり。

大きいことはいいことだ、とまでは思わないが


マイワシを買いに八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産に行ったら、お目当ての富山湾産のマイワシがちゃんと来ていた。春らしいな、と思ったら隣にもっとでかいのが山になっている。
久しぶりに見る大羽で並イワシ(箱の容量が大きい)だが、刺身にもなりそうな鮮度だ。
計ったら平均体長22cmで170g以上もある。
ちなみにマイワシの大きさの日本記録は島根県で揚がったものだったはず。
流通上、マイワシで重要なのは北海道や大阪湾の高鮮度のものではなく、本来この並イワシなのである。日常的に何気なく使える、値段の安いイワシだ。
数尾買って帰宅後、鱗を取り、塩をして保存する。
折々に、1尾ずつ出て来た水分を拭き取り、じっくりと焼き上げる。
■舵丸水産は、一般客に優しいので、ぜひ近くにお住まいの方は一度お寄り頂きたい。

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