202502/16掲載

青柳とたらの芽のぬた、にちょっとだけ春

厳寒の雪国を思って作る青柳のぬた


雪の中に行くつもりが行けない。
自宅で待っているだけの苦しいとき、せめて白梅一輪ほどの春が欲しい。
初めて食べたときからの青柳好きなので、合わせる植物(野菜・山菜)の増える時季になると、毎日でも青柳のぬたが作りたくなる。
だから冬枯れの市場で青柳(バカガイ)の剥き身を買い、辛子のきいた酢みそを作り、が頭に浮かぶ。
なんて思ったら八百屋に合わせるものがない。
水産物も枯れているが、それ以上に八百屋の店先が淋しい。
青柳と言ったら浅葱か分葱だけど、ともにない。
探しに探して、今現在のボクには奇遇にも、会津産のたらの芽を見つけたことはいいものの、青柳と同じくらいの値段がする。

明らかに時期尚早なれど、青柳とたらの芽のぬた(酢みそ和え)はうまい。
青柳の渋甘さとたらの芽の植物の苦味、辛子の辛味に心が癒える。
ともに口の中で長々とうまいのが残るのもいい。
これを酒で洗い流すのがもったいなくなる。

春の味を楽しみながらも、部屋は厳寒なので、新潟県上越市、頚城酒造の「久比岐」本醸造を正一合を久しぶりに温める。

青柳もたらの芽も高い、睦月かな


市場のどこにも水産生物がない。季節は春だが、冬枯れだ。
八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産でちょっとだけ身のふくらんだ青柳を購う。
バカガイの剥き身で東京では年中あるが、やはりうまい時季は春だ。
2月になった途端、じょじょに味が上向いてくる。
困ったときの青柳はいいとしても合わせようと思った浅葱(あさつき)が、八王子総合卸売センター、八百角になかった。
仕方がないので自然保護の観点から問題ありのたらの芽を買う。

辛子たっぷりの酢みそを作る


辛子酢みそを作る。
西京味噌(白みそ)と新潟県妙高市『太田醸造』の「毘沙門味噌」を合わせてする。
砂糖を加え、酢(ミツカンの米酢)を加えてする。
上品に仕上げたかったら、ここに昆布だしを加えてゆるめてもいい。
練り上げた辛子をたっぷり加える。

食べる直前に酢みそで和える


青柳は鍋に塩と一緒に放り込んで火をつけて指でかき混ぜる。
熱いと思ったら氷水に落として水分をきる。
鰓・内臓を取り、再度水分をきって適当に切る。

たらの芽を塩ゆでにして少し流水にさらす。
青柳、たらの芽を辛子酢みそで和える。

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バカガイのサムネイル写真
バカガイ英名/Rediated trough-shell,Surf-clam海水生。潮間帯下部〜水深20mの細かい砂地。サハリン、オホーツク海から九州まで。(北海道のものはエゾバカガイとされてい・・・・
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