数え日の新潟旅 上越・妙高の朝市で買った雪の下のふきのとう
赤くて硬いふきのとうは雪の中にあったのだろうか

今回の新潟県の旅は、朝市は楽しすぎる、ということも含めて書いていきたい。
妙高市新井の朝市で、見つけたのが赤い「ふきのとう」だ。赤いのは雪の下に埋もれた状態だからだと思っているが、確かめたわけではない。
ボクは極々田舎である徳島県美馬郡貞光町(現つるぎ町)で育った。「ふきのとう」は上京するまで食べたことがなかった。
吉野川を挟んで北側、美馬町(現美馬市)、親戚の家の、畑の斜面に毎年出るので、剪定バサミを持たされて取っていたものだが、我が家では食べた記憶がない。
あまり山菜類を食べないのは、商家だったためか、それとも徳島県はあまり山菜類を食べないのか、今以てわからない。
初めて食べたのはお茶の水駿河台、学校の隣の居酒屋で、だ。
不思議な味だけどおいしいなと思ったものだが、3、4個しか皿にはなく、むしろ高い食い物だと思った印象の方が強い。
この赤く硬い「ふきのとう」は、1月、2月に新潟でも群馬でも、関東周辺の直売所でも、必ずではないが高い確率で出合える。生のまま割ると非常に香りが強い。
最近ではこの香りだけで元が取れたと思うし、いい匂いなのでぽわーんと、うっとりする。
今回のものは、12月26日に買ったので、とても春のものと言えない。
それでも春を感じるのは、完全に体が冬になっているためだろう。
天ぷらは油で苦味を和らげる料理

これで、天ぷらと、ふきのとうみそを作った。
天ぷらは、乾いた皮(葉だと思う)を取り、ざっと洗い、するどいナイフでぐさりぐさりと刺す。
苦味に弱いので、芯に油が回るようにだ。
山菜のえぐ味は油と触れることでとれる。
後は揚げるだけ。
それほど好きではなかったのに、いつの間にか好物になっていた。
「ふきのとう」を見ると、すぐに天ぷらとなる。
苦味は和らいでいるのに、香りは変わらない。
この香りと、ほどよい苦味を酒で洗うと、この上もなくいい。