202410/29掲載
今季初マルヒラアジに秋潮を感じる
刺身は絶品を通り越して、食べるのがおしくなる
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ここ数年、本種の若い個体を見つけると相模湾に秋が来た、と思ってしまう。
だいたい10月、11月に少ないながら水揚げがあり、認知度は小田原でもゼロに近いので、そんなに無理をしなくても手に入れている。
このマルヒラアジが赤道をまたいで広い生息域を持ち、相模湾は北限だと思うと感慨一塩である。
今年の刺身も相変わらずうまい。
身がきめ細やかで、その身に細かい粒子となって脂が混在している。
だから口に入れて舌に乗せると、ねっとりしてほんの少し口溶け感がある。
甘いと感じるのは脂のせいだし、アジ科ならではの豊かなうま味がある。
焼霜造りはものすごくわかりやすい味だ
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ついでに作った焼霜造り(あぶり)は、屋上屋を架すような味だが、こちらの方が上と感じる人が多いやも知れぬ。
端的においしいのは、皮目の香ばしさと、その直下の脂が一度溶けて、また再度、この脂が半分固まった状態にあるからだ。
口に入れると様々なおいしさが押し寄せてくる。
久しぶりに飲む、黒松剣菱に合う。