小糸ちゃんはできすぎ4、炊き込みご飯編
深夜にやたらにうまいものを食べたら毒だ
日々の暮らしで2つのことが同時進行してもギリギリなんとかなる。3つ重なってパニックになり、やっと2つになったと思ったが、少し面倒な仕事だったので、余計こんがらがる。
脳が真空状態になり、お腹がきゅーっとなったので富山の反魂丹を一袋飲んだら、今度は腹がきゅーっとなって激しい腹ヘリ感が押し寄せてきた。
深夜なので冷凍庫を探しに探して見つけたのが、イトヒキアジの炊き込みご飯である。
炊き上がりを食べてから、そろそろ1ヶ月近くになる。
チンとしたが、すぐには食べられなかった。
チンして冷めたら、食えないだろう、と見ない振りをしてもう少しほったらかして、それでも我慢できないで、食べたら意外、だった。
温もりのない炊き込みご飯がウマスギ GO! GO! だったのだ。
たぶん4勺くらいなので、ゆっくり食べよう、ゆっくり食べようと思ってもダメだった。
なによりも塩気がいいのだ。
イトヒキアジのアジ科らしいおいしさを塩気がぐいーんと引き上げている。
一時しのぎの飯が、まるで王様のご飯に格上げされたようだ。
水前寺菜が独特の風味を醸し出しているもきいているではないか。
だいたい午前3、4時に起きることが多く、食べ終わったのが午前0時半。
まさか、まさかに眠れなくなる。
■写真は炊きたてのときのもの。
新体操のリボンをまとったこの美魚が、意外に困った存在なのだ
9月20日、小田原魚市場、二宮定置はやや低調であった。
そんなときに限ってボクが好きなものが揚がる、というアンバランスな状況となる。
そんな中、秋だなと思ったのが小糸ちゃんである。
今回持ち帰った体長10cmから20cmのイトヒキアジでである。昔からとれていた魚で、やはり秋から冬にかけて多かったが、近年、希に成魚も揚がるし、暮れが近づくと一回り大きなサイズが揚がる。
糸を引いている小型は漁業的にやっかいな魚で、非常にうまいのに評価されていない。
ある意味、未利用魚である。
以上は何度も書いた。
焼いて炊き込むのが消費地にある我が家のやり方
干ものに使ったのは全長10cm前後である。
背鰭・腹鰭などをキッチンバサミで切る。
タワシでていねいに体表のぬめりを取る。
頭を袈裟懸けに切り水洗い。
水分をよくきり、立て塩に5分つけて、再度水分を切る。
立て塩につける時間は長いほど塩辛い。5分は薄塩である。
これをエアコンのきいた部屋で扇風機の風をあてて半日干す。干し上がったら焼き上げる。
以上は前回書いた。
このとき炊き込みご飯も作っていたのだ。
水飯の用意をして、薄口醤油・酒を加え、焼き上がった干ものを沈めて炊き上げる。
炊き上がったら魚を取りだし、骨を取り除く。
ボウルなどに移して、みょうが、水前寺菜、かぼすの搾り汁を加えて和える。
半分食べて、半分ほど冷凍保存する。
二宮定置のみなさん、Kai’s Kitchenのカイくんなどなど、お世話になりました。