イトヒキアジ
全関連コラム
珍魚度・珍しさ | ★★ 少し努力すれば手に入る |
---|---|
魚貝の物知り度 | ★★★★ 知っていたら達人級 |
食べ物としての重要度 | ★★ 地域的、嗜好品的なもの |
味の評価度 | ★★★★ 非常に美味 |
分類 | 顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目アジ科イトヒキアジ属
|
---|---|
外国名 | Giliated threadfish 絲鰺 台湾/花串、白鬚公、甘仔魚(臺東)、白鬚鯌(澎湖)、鱟包鬚(澎湖諸島)
|
学名 | Alectis ciliaris (Bloch,1788)
|
漢字・学名由来 | 漢字 糸引鰺 Standard Japanese name / Itohikiaji Bloch Marcus Élieser Bloch(マルクス・エリエゼル・ブロッホ 1723-1799 ドイツ)。医師、博物学者。ヨハン・ゴットロープ・テアエヌス・シュナイダー(Johann Gottlob Theaenus Schneider)とともに『110の画像付分類魚類学』を刊行。 |
地方名・市場名 |
概要
生息域
海水魚。内湾など沿岸の水深100mよりも浅場。
伊豆〜小笠原諸島、[岩手県釜石]、[宮城県気仙沼]、千葉県、[相模湾では少ないながら成魚が揚がる]〜九州南岸の太平洋沿岸、屋久島、琉球列島、東シナ海中部の大陸棚縁辺域。
幼魚が多い/北海道、[岩手県釜石]〜茨城県の太平洋岸、日本海沿岸
希で幼魚のみ/瀬戸内海沿岸
千島列島南部太平洋沿岸、ピーター大帝湾、山東半島、朝鮮半島南岸・東岸、台湾、中国東シナ海・南シナ海沿岸、海南島、全世界の熱帯海域。
生態
ー
基本情報
本州以南に生息している。古く、暖流にのって北上してくる若い個体は、鰭が長く面白い姿をしているので認知度は高い魚だった。ただし相模湾などでは小型が多く古くから価値が低い魚だったので、定置網などに大量に入ると困るものだった。水揚げ量も安定しない状況が続いていたが、近年幼魚というよりも500gから1㎏前後の若い個体がたくさんとれるようになっている。また相模湾などでは大型の成魚も見られる。明らかに北上傾向にある。
とても味のいい魚で、料理を選ばないので、安定的な入荷が続けば全国市場での評価が生まれそうである。たくさん揚がるようになったのでマアジのように惣菜的な料理にも生かすべきである。
珍魚度 今や普通の食用魚だ。入荷は安定しないが通常の流通でもしばしば見かける。少しだけ努力すれば手に入る。
水産基本情報
市場での評価 ヒレの伸びた幼魚は秋などにまとまって入荷。手のひらサイズは今でも安いが、0.5kg前後以上は、徐々に値を上げてきている。
漁法 定置網
産地 神奈川県、大分県、和歌山県など
選び方・食べ方・その他
選び方
銀色に輝いているもの。触って張りのあるもの。眼が澄んでいるもの。
味わい
鱗はほとんど気にならず、皮は非常に薄い。骨は柔らかい。
透明感のある身で血合いは薄い。熱を通しても硬く締まらない。
栄養
ー
危険性など
ー
食べ方・料理法・作り方
水洗いして三枚に下ろす。背と腹に血合い骨から分けて、皮表面をあぶって刺身状に切ったもの。アジ科らしい皮目の香ばしさ。身の豊かなうま味が楽しめて非常にうまい。本州に多い若魚を使えるのも魅力だ。
あんの材料であるにんじん、ぴーまん、玉ねぎなどをせん切りにする。カツオ節出しに酢・酒・砂糖・薄口醤油・塩で味つけする。ここに野菜を入れて、片栗粉でとろみをつける。
水洗いして三枚に下ろし、腹骨・血合い骨を取る。水分をよく切り、
小麦粉をまぶしてカリットするまで揚げる。皿などに盛り、あんをかける。
あんが完成するのと、揚げ上がりを合わせる。
とろっとしたあんの下の切り身をスプーンなどで割るとまだサクッとした感じが残っている。あんと身をご飯に乗せながら食べる。
好んで食べる地域・名物料理
ー
加工品・名産品
ー
釣り情報
ー
歴史・ことわざなど
ー
地方名・市場名
参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所三重県二木島
参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929)、聞取 場所三重県熊野市遊木漁港、和歌山県田辺・和歌浦・湯浅・白崎・塩屋・周参見・串本、徳島県海部郡海陽町『宍喰漁業協同組合』、高知県室戸市三津[定置]・宿毛市田ノ浦すくも湾漁協
参考文献 場所和歌山、高知
参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所和歌山県三輪崎
参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所和歌山県串本
参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所和歌山県田辺・和深
参考文献 場所和歌山県白浜・雑賀崎
参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所和歌山県辰ヶ浜
参考文献 場所愛媛県三島町(現四国中央市)
参考文献 場所沖縄
備考ウマヅラアジとともに。 参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 場所沖縄県南城市知念漁協
参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 場所沖縄県南城市知念知念漁協
場所神奈川県三崎・小田原
参考文献 場所神奈川県三崎・神奈川
参考文献、『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所神奈川県江ノ島、静岡県伊豆半島、和歌山県和深・辰ヶ浜
参考文献 場所長崎
参考静岡県水産・海洋技術研究所・伊豆分場 場所静岡県伊豆雲見
参考文献 場所高知県柏島
参考文献 場所鹿児島
備考体高のあるアジ科の総称 場所鹿児島県南さつま市などで
参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 場所鹿児島県種子島
参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929)、聞取 場所三重県尾鷲市(参考:一日一魚)、水族志
場所鹿児島県南さつま市笠沙
場所三重県熊野市遊木漁港、和歌山県串本、徳島県海部郡海陽町『宍喰漁業協同組合』、高知県室戸市三津[定置]・宿毛市田ノ浦すくも湾漁協
場所長崎県長崎市長崎魚市場
場所三重県熊野市遊木漁港
サイズ / 時期幼魚・若魚 備考幼魚・若魚をハニビラー、成魚をヒラカマジー。 参考『原色 沖縄の魚』(具志堅宗弘 タイガー印刷 1972) 場所沖縄県
ユダヤーグワー
参考文献 場所沖縄県
ヒラカマジー
サイズ / 時期成魚 備考幼魚・若魚をハニビラー、成魚をヒラカマジー。 参考『原色 沖縄の魚』(具志堅宗弘 タイガー印刷 1972)