青柳と九条葱のぬた
九条葱と青柳の「ぬた」は秋の季語

青柳(バカガイ)とくると「ぬた」しかない。春の「ぬた」と秋の「ぬた」は違う。
秋に作るものは相棒が少ない。
春のように山菜がないので華やかさがない。
ねぎか、オータムポール・コウサイタイ・高菜系の青菜などのアブラナ科を合わせることが多いが、秋の地味な「ぬた」もいいのである。
バカガイがまたよくなりつつあるときで、久しぶりにスーパーで見つけた九条葱と合わせた。
さて、「高清水辛口」紙パックは秋田酒類製造でいちばん安い酒だろうが、意外にもすごくボク好みだ。
これを室温でゆっくり盃で飲みながら「ぬた」をつまむ。
盃は倉敷の武内立爾さんの、真っ直ぐベートーベン的なもの、「高清水辛口」はなんだろう。ブルックナーかな。
我が家は最近、無音の深夜酒なので、こんなことを思ってときを過ごす。
ボクは矢鱈に青柳が好きだ。
バカガイをバカにするものは許せん、と思うほどにバカガイ贔屓である。
酢みそをまとった青柳の、このほろ苦さと貝らしい呈味成分の混ざり合った甘さ、そして心地よい食感に、明らかに惚れている。
安かった九条葱もよいではないか!
今年はずーっといい葱に出合えなかったので、夏のダメージからの回復を感じる。
さて問題はベートーベン的などっしりと重い盃で、いったいどれほど飲んだのか?
だけど、敢えて考えないことにしたい。
舌切りに出合えたときのうれしさよ,思わず手に取る

八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産で舌切りを買った。見た目からは産地がわからない。
舌切りはバカガイの剥き身で、比較的小さく、関東の市場では1個で1かんの握りにならないものを言う。
安くておいしくて、一般家庭としてはとてもありがたいものだ。
今回はすし屋仕込みをする。鍋に塩と一緒に入れて、火をつける。
指でかき回しながら、熱くて手がかき回せなくなったら、氷水に落とす。
さっと洗って、水分を切る。
九条葱はゆでて箸でこそげてネバを出す。
適当に切る。
酢みそは白みそ、信州の白みそを合わせて、酢と砂糖を合わせて混ぜる。
適当に切り、バカガイ、九条葱、酢みそを和える。
■舵丸水産は、一般客に優しく、水洗い・下ろしなどをやってくれるので、ぜひ近くにお住まいの方は一度お寄り頂きたい。