202410/12掲載

小さなカゴカキダイに昔を想う

初めてのカゴカキダイは不器用にも刺身にし、塩焼きにした


小皿に乗ったカゴカキダイを見つめて、1979年前後にタイムスリップする。
卒業する年で同級生と網代(静岡県熱海市網代)に堤防釣り(波止釣り)に行った。
その日は嵐で釣りどころではなく民宿に泊まり、翌日竿を出したのが川奈港だった。
ネンブツダイばかりのなか釣れてビックリしたのが、カゴカキダイの熱帯魚のような色にだった。
とても食べられそうになかったので撮影して、種名をメモしてお帰り願った。
同じ事を繰り返していたら、散歩にきていた老人(じゃなかったかも)に声を掛けられた。
「おいしいから持って帰りな」とでも言われたのかも知れない。
以上は、今年になって古本屋が救い出してくれていた当時のノートを見て書いている。
人間の記憶は曖昧だななんて、この日の前後を見て気がついた。

川奈漁港で釣り上げた最初の固体も、今回持ち帰ったものと同じくらい。
親類のオジサンに教わって作り始めていたカードに、おいしさを5段階で書きとめ始めていた中でも、もっとも古いものだと思う。
味は★5つなので、今と変わらない。

相変わらず、小さくでも脂があり、皮にも身にも独特の風味があって、ウマスギ GO! GO! じゃないかとうれしくなる。

このサイズはさすがに競りに出せない


2024年10月4日の神奈川県小田原市、小田原魚市場、二宮定置は大漁だった。みなが忙しく右往左往しているところで、ボクはあいかわらず単なるお邪魔デブそのものだった。
というのは何度も書いている。

カゴカキダイは小さいのが多かった。たくさん持ち帰った中に入れたつもりのないカゴカキダイが入っていて、計測したら11.5cm・58gだった。
見ている内に懐かしくなった。
捨てるのはもったいないので塩焼きにする。
水洗いして振り塩をする。
1時間くらい置き、焼き上げる。

二宮定置のみなさん、Kai’s Kitchenのカイくん、ありがとうございました。

このコラムに関係する種

カゴカキダイのサムネイル写真
カゴカキダイStripey 柴魚、斑馬、條紋蝶、花身婆(臺東)、米統仔(澎湖)、花身婆(澎湖)、苦湳盤仔(澎湖) 海水魚。浅い岩礁域。青森県〜九州南岸の太平洋沿岸、[鹿児島県種子島]、瀬戸内海伊予灘、幼魚のみは大阪湾、琉球列島[沖縄・・・・
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