おかか飯なのか? 猫まんまなのか?
秋になると「かつおぶし削り節」を買う

仕事が行き詰まっているので、暫し寄り道的なことを。
秋になり気温が下がると「かつおぶし削り節(以後単にカツオ節もしくは削り節)」を買う。「削り節買う」はボクの秋の季語だ。
今回は、東京都足立市場内の『伊勢重』という店で削りたてを買うことができた。
ちなみに削り節は、基本冷蔵保存である。冷蔵庫が小さいので、保冷するものが多い夏の間は保管できない。だから夏は煮干し類一辺倒でだしをとる。
ちなみに疲れているときはだしの素も使っているわけで、だしの素も嫌いではない、ということも忘れないで言っておく。
初めて見たとまでは言えないけど、使いあぐねる

久しぶりに買った「削り節」で「おかか飯」を作ったが、その前に、話はボクの学生時代に遡る。
ボクの故郷、徳島県美馬郡貞光町(現つるぎ町貞光)では、「猫に鰹節」ではなく、「猫にいんじゃこ」だという話を書いている。
ボクの生まれ育った家では、だしも、ときどき猫にやるおやつも「いんじゃこ(カタクチイワシの煮干のことで、いりことも言う)」だった。近所の食料品店で買うのも茶色い紙袋に入った「いんじゃこ」で、袋に鼻をくっつけてかいだ匂いが懐かしくてならない。
身の周りにカツオ節的なものはまったく存在しなかった。
上京した年、同じクラスの友人がカツオの削り節を持ってボクのアパートにやって来た。変な土産だと思ったが、コヤツの実家は横浜で食料品店を営んでいたのである。
削り節をもらってもどのように使うのかわからなかった。しかも袋が大きいのに圧倒された。
次ぎにこの友人が来たとき、カツオ節の袋が開いていないのを見て、作ってくれたのが「おかか飯」である。
「おかか」を知らない人間がいること自体、横浜人にとって不思議なことだったらしい。
削り節に醤油を加えて混ぜるだけ、なのだ

「おかか」とは、動詞「かか」に丁寧語の「お」をつけたものだろう。カツオ節を削ることを、「かく」といい、それが転訛して「かか」となったもので削り節自体のことという説と、削り節に醤油を加えて混ぜたものだ、という説がある。
「おかか」自体関東地方の方言で、「おかか飯」も関東地方の郷土料理だと思っているがいかがだろう。
「おかか飯」の作り方などないに等しい、削り節に醤油をたらして混ぜるだけ。
それをご飯に混ぜ込む人と、乗せる人がいるようだけど、ボクはざくっと混ぜ込む派だ。