トゲカジカ
代表的な呼び名ナベコワシ
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コラム
近所のスーパーで買ったカジカで煮つけコラム
かじか汁のすゝめ漢字・学名由来
食用魚、カジカって何だろう?
珍魚度・珍しさ | ★★ 少し努力すれば手に入る |
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魚貝の物知り度 | ★★★ 知っていたら通人級 |
食べ物としての重要度 | ★★ 地域的、嗜好品的なもの |
味の評価度 | ★★★ 美味 |
概要
生息域
海水魚。水深50-300m。
新潟県佐渡、秋田県、青森県、岩手県、北海道全沿岸。
朝鮮半島東岸〜沿海州、間宮海峡、千島列島、オホーツク海東部・北部、カムチャツカ半島東南岸、アリューシャン列島、チュクチ海南島〜ベーリング海、アラスカ湾。
生態
産卵期は12月〜翌2月。
産卵のために岸寄りに移動する。
基本情報
東北以北で水揚げがある。北の海に、カジカ科の魚は多種あるが、もっとも大きくなり、市場などでは想像以上に大きいのでビックリする。海カジカ類としては、いちばん味がいいとされているので「真カジカ」、「なべこわし(鍋壊し)」という。「なべこわし(鍋壊し)」は汁にしてあまりにもうまいので、「鍋の底に残った一滴の汁も余さないようにすくい取ろうとして鍋を壊すほどだ」という意味。
北海道ではもっとも代表的なカジカで流通する量も多く、寒い時期、産卵期には「かじか汁(みそ汁)」に、鍋物にと大活躍する。
関東などにも入荷してくるが、なじみがないために人気がない。1980年代に北海道で初めて何度か煮返したみそ汁をいただいて以来のファンであるが、なぜか都内で食べてもその感動は得られない。
珍魚度 珍魚ではない。北海道ではともかく、関東などには入荷が少なく、探さないと手に入らない。それでも大型の海カジカ類の中ではもっとも手に入れやすい。
水産基本情報
市場での評価 寒くなると北海道から入荷してくる。関東では非常に安い。
漁法 底曳き網、刺網、釣り
主な産地 北海道
選び方・食べ方・その他
選び方
触って硬いもの。粘液をまとっているが鮮度がいいと粘り、古くなると緩くなる。鰓が鮮紅色のもの。
味わい
旬は冬。
鱗はほとんどなく汁にするなどしても気にならない。皮は厚くしっかりして硬い。骨はあまり硬くない。
血合いがよほど鮮度がよくないと赤くなく、同様に透明感のある白身だが、ボケやすい。繊維質が少なく。ぼろっとしている。
栄養
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危険性など
アニサキスは袋形動物門線形動物綱回虫目ヘテロケイルス科アニサキス亜科に属している数種。最終宿主はイルカを始め鯨類とアザラシなど。卵が最終宿主の排泄物と一緒に海に。これを第一宿主であるオキアミ類などが食べ、魚などに餌として取り込まれる。魚は第二宿主にあたる。カジカ類の腹、筋肉などからはしばしばアニサキスの仲間が見つかる。アニサキス症には緩和型と激症型がある。アニサキスを食べると胃や腸に痛みを起こし、嘔吐感を感じる。激症には非常に強い痛みがあり、しばしば急性腹症と間違われて開腹手術を受けることがあるという。
食べ方・料理法・作り方
水洗いして適当に切る。このとき肝名胃袋などは取り分けておく。湯通しして冷水に落とし(鮮度がよければ不要かも)、ぬめりなどを流す。水分をよくきり水からじっくり煮だしてみそを溶く。実にいいだしが出る。付着した皮や身も味わい深い。いちばんうまいのは肝だが、つぶして汁に溶いてもうまい。
好んで食べる地域・名物料理
加工品・名産品
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釣り情報
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歴史・ことわざなど
■鍋こわし(なべこわし)とは「あまりにうまいので、鍋の底までかき回し、鍋を壊してしまうほどうまい」という説と「まずいので鍋をこわしてしまう」という説がある。
■「オレンジ色の肝(肝臓)は海のフォワグラと呼ばれる」