ユメカサゴ
ユメカサゴの形態写真一覧 (クリックで下に拡大表示)
![27cm SL前後になる。側線の上下に褐色帯状に見える斑紋がまったくない。静岡県沼津市産。このタイプは東京湾、相模湾、駿河湾、遠州灘、熊野灘などでも見られる。[背中の部分に暗色の斑紋がほとんどない個体]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/563/Thumb500/yumekasago.jpg)

27cm SL前後になる。側線の上下に褐色帯状に見える斑紋がまったくない。静岡県沼津市産。このタイプは東京湾、相模湾、駿河湾、遠州灘、熊野灘などでも見られる。[背中の部分に暗色の斑紋がほとんどない個体]
魚貝の物知り度 | ★★★★ 知っていたら達人級 |
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食べ物としての重要度 | ★★★ 一般的(流通量は多くも少なくもない) |
味の評価度 | ★★★★ 非常に美味 |
分類 | 顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系カサゴ目カサゴ亜目フサカサゴ科ユメカサゴ属
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外国名 | Scorpionfish
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学名 | Helicolenus hilgendorfi (Steindachner and Döderlein, 1884)
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漢字・学名由来 | 漢字 夢笠子。 由来・語源 田中茂穂の命名したもの。由来などは不明。地方名にユメカサゴはなく田中茂穂の創作だと思う。 Tanaka 田中茂穂(Shigeho Tanaka 明治30-昭和49 1878-1974 高知県)。東京帝国大学にて魚類の分類を始める。日本魚類学の父。170種前後の新種を記載。献名された種も少なくない。 |
地方名・市場名 | 地方名・市場名は長いため下部に表示しました。クリックでジャンプします。 |
概要 
生息域
海水魚。水深130mから980mの砂泥地。
青森県〜薩南半島の太平洋沿岸、伊豆諸島、秋田県、富山県、若狭湾〜九州北西岸の日本海・東シナ海沿岸、東シナ海縁辺。
済州島、台湾。
青森県〜薩南半島の太平洋沿岸、伊豆諸島、秋田県、富山県、若狭湾〜九州北西岸の日本海・東シナ海沿岸、東シナ海縁辺。
済州島、台湾。
生態
卵胎生。
基本情報
比較的近海の深場にいる赤いカサゴ。長崎県などではまとまった水揚げがあるが、全国的に見ると量は少ない。カサゴ類はすべて高級であるが、本種の釣りものも非常に高価。
主に産地周辺や食費地の高級な小売店で見かける。
味は抜群によく、鍋ものや焼きものなど本種を使うことで高級感が出る。
主に産地周辺や食費地の高級な小売店で見かける。
味は抜群によく、鍋ものや焼きものなど本種を使うことで高級感が出る。
水産基本情報
市場での評価 大きくなっても30cmほどの中形のカサゴで近海もので、生で流通するためにやや高値。
漁法 底曳き網、釣り
産地 長崎県、福岡県、福島県、静岡県
漁法 底曳き網、釣り
産地 長崎県、福岡県、福島県、静岡県
選び方・食べ方・その他 
選び方
赤など色合いが鮮やかなもの。目が澄んでいるもので、鰓の色合いが赤いもの。
味わい
旬は寒い時期〜春
鱗は薄く細かく取りやすい。皮は厚みがあり、強い。骨はあまり硬くない。
透明感のある白身で熱を通しても硬く締まらない。
鱗は薄く細かく取りやすい。皮は厚みがあり、強い。骨はあまり硬くない。
透明感のある白身で熱を通しても硬く締まらない。
栄養
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寄生虫
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食べ方・料理法・作り方(お勧め順)
煮る(しょうゆ煮、塩煮、アクアパッツァ)、汁(鍋、潮汁、みそ汁)、生食(皮霜造り、焼霜造り)、揚げる(唐揚げ)、ソテー(ムニエル、バター焼き)

ユメカサゴの煮つけ 大型のものは半分に切って煮る。鱗を取り小振りのものは内臓をずぼ抜きにする。湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。これを酒・しょうゆ・水で煮る。しょうゆと酒は何度かにわけて加減する。みりん、砂糖など甘味を加えてもいい。上質な白身で煮ると適度にしまり、しょうゆ味に適度に煮染められる。煮染めても本来の甘味はそのままで、適度に繊維質の身が口の中でほどける。非常にうまい。

魚と野菜の煮もの

ユメカサゴのまーす煮

ユメカサゴのちり鍋

ユメカサゴのあら汁

ユメカサゴの霜皮造り

ユメカサゴの焼霜造り

ユメカサゴの唐揚げ

ユメカサゴのバター焼き

ユメカサゴの塩焼き
好んで食べる地域・名物料理
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加工品・名産品
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みりん干し 三重県尾鷲港に揚がる小形のユメカサゴを開いて甘辛く味つけして干し上げたもの。しっかり干しているので焼きやすい。[北村商店 三重県尾鷲市瀬木山]
開き干し 底曳き網で揚がった小振りのものを、開いて干し上げたもの。脂がのって非常にうまい。[ハマショウ 島根県浜田市]

ユメカサゴのみりん干し

釣り情報
伊豆半島周辺の釣りでは100〜200メートル前後でイズカサゴやアラなどと共に釣り上がる。餌はサバの切り身やイカのたんざく。胴突きしかけでも天秤でもよい。
歴史・ことわざなど
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