フトツノザメ
代表的な呼び名 ツノザメ
フトツノザメの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
1.3mm TL 前後になる。細長く背鰭に強い棘がある。背鰭前縁は白くない。尾鰭縁が白く、下葉も白い部分がある。吻と鼻孔、鼻孔から後裂前端までの郷里はほぼ等しい。[1m TL] 1.3mm TL 前後になる。細長く背鰭に強い棘がある。背鰭前縁は白くない。尾鰭縁が白く、下葉も白い部分がある。吻と鼻孔、鼻孔から後裂前端までの郷里はほぼ等しい。[1m TL] 頭部は特に吻が長いわけでもなく、極端に短いわけでもない。 尾鰭の上葉は白く縁取られ、下葉先端は白い部分が広い。 1.3mm TL 前後になる。細長く背鰭に強い棘がある。背鰭前縁は白くない。尾鰭縁が白く、下葉も白い部分がある。吻と鼻孔、鼻孔から後裂前端までの郷里はほぼ等しい。
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珍魚度・珍しさ ★★★ がんばって探せば手に入る
魚貝の物知り度
★★★★★ 知っていたら学者級
食べ物としての重要度
★★ 地域的、嗜好品的なもの
味の評価度
★★★★ 非常に美味
分類
顎口上綱軟骨魚綱板鰓亜綱サメ区ツノザメ上目ツノザメ目ツノザメ科ツノザメ属
外国名
ー
学名
Squalus mitsukurii Jordan and Snyder, 1903
漢字・学名由来
漢字/太角鮫 Standard Japanese name / Futotunozame
由来・語源/太いの意味は不明。古くはツノザメであった。小種名は箕作佳吉に献名。『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)
Jordan David Starr Jordan〈デイビッド・スター・ジョーダン(ジョルダン) 1851-1931 アメリカ〉。魚類学者。日本の魚類学の創始者とされる田中茂穂とスナイダーとの共著『日本魚類目録』を出版。Snyder ジョン・オターバイン・スナイダー(1867-1943 アメリカ) 魚類学者。スタンフォード大学の魚類学教授。『日本魚類目録(A catalogue of the fishes of Japan)』を田中茂穂、David Starr Jordanとともに作る。箕作佳吉 箕作佳吉 みつくり・かきち。1858(安政4年)年、江戸鍛冶橋(現東京駅周辺)の津山藩邸で生まれる。~1909(明治44年)。国内最初の動物学者で東京帝国大学の教授となる。日本動物学の父とされている。津山藩士で蘭学者であった箕作阮甫の孫。
地方名・市場名
概要
生息域
海水魚。29-799m。
津軽海峡〜島根県隠岐の日本海沿岸、宮城県〜豊後水道の太平洋沿岸、八丈島、小笠原諸島、琉球列島東シナ海沿岸、東シナ海大陸棚斜面。
朝鮮半島南岸、済州島、黄海、中国東シナ海・南シナ海沿岸、ハワイ諸島、オーストラリア沿岸をのぞく全世界の温帯〜亜熱帯。
生態
基本情報
本州以南に生息する。やや小型のサメである。刺網や深場の釣りで揚がる。この背鰭に棘(角)があるサメの中でもアブラツノザメは認知度も高く、東北・関東を中心に利用されているが。本種は漁獲量が少なく知名度が低い。
珍魚度 底曳き網や釣りなどで揚がるが、量的に少なく、流通しないのでがんばって探さないと手に入らない。
水産基本情報
市場での評価/ほぼ流通しない。一定の評価はない。
漁法/釣り、刺網
産地/
選び方・食べ方・その他
選び方
味わい
旬は不明。よほど扱いが悪くない限り臭味はない。扱いやすい魚だと思う。
鱗は細かくサンドペーパー状。皮は厚みがある。
血合いの強い白身で、熱を通しても硬く締まらない。
味わい サメ類は比較的あっさりして熱を通すと硬くなりやすい種が多いが、本種のツノザメ科は身に味があり、熱を通しても硬くならない。これは身や鰭、軟骨にコラーゲンが多いためだと思われる。
煮ても焼いても、揚げてもおいしいのはこのコラーゲンや脂質の多さからだろう。
反対にドチザメ科ホシザメのように湯引くことで硬く締まることがないので、湯引きにして酢みそというドチザメ科などでよく行われる料理には向かない。
栄養
危険性など
食べ方・料理法・作り方
フトツノザメの料理・レシピ・食べ方/揚げる(フライ、唐揚げ)、煮る(煮つけ、湯引き)
フトツノザメの煮つけ 身(筋肉)はほどよく繊維質でコラーゲンに富んでいて、煮ても硬くならない。煮つけて冷やすと見事な煮凝りが出来る。
湯通しして表面のタンパク質をかためて冷水に落とす。水分をよくきり、酒・みりん・醤油・しょうがの薄切りで煮上げる。
煮ても軟らかく、身そのものの味もあり、非常に味わい深い。たっぷり作り置きし、ご飯などのおかずや弁当の菜として優秀である。
フトツノザメのフライ 非常に上質の白身で熱を通しても臭味が出ない。ただ味は無個性で淡泊だ。このような魚は油を使った料理に向いている。湯通しして冷水にとり、鱗と皮をこそげ落とす。これを切り身にする。塩コショウし、小麦粉をまぶし、溶き卵をくぐらせ、パン粉をつけて揚げる。表面はパン粉で香ばしく、中は豊潤である。白身のフライとしては上々である。
フトツノザメの竜田揚げ 非常に淡泊な味わいなので、切り身にしてみりんと醤油に漬け込んで揚げてみた。切り身は水分をよくきり、みりん・醤油の地に1時間以上漬け込む。このときカレー粉やにんにく、しょうがなどを使うと味わいが深くなる。食感は鶏のささみに似て、嫌みがなくイケる味である。
フトツノザメの湯引き 中央部分適当な長さに切る。湯通しして鱗と皮をこそげ落とす。三枚に下ろし、刺身状に切る。これをふたたび湯通しして、冷水に取り、水分をよくきる。辛子酢みそや梅肉で食べるととても味わい深い。
好んで食べる地域・名物料理
加工品・名産品
釣り情報
歴史・ことわざなど
参考文献
協力/岩崎薫さん(神奈川県) さんの水産(神奈川県小田原市)
『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 2013年02月26日)