ジンドウイカ

代表的な呼び名ヒイカ

ジンドウイカの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
外套長14cm前後になる。外套膜は砲弾型で耳は正三角形に近い。国内にいるジンドウイカ属の中では大きい方でやや太り気味。
外套長14cm前後になる。外套膜は砲弾型で耳は正三角形に近い。国内にいるジンドウイカ属の中では大きい方でやや太り気味。[向かって右端はヤリイカ/外套長6-8cm・19-57g]
魚貝の物知り度 ★★★★
知っていたら達人級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★
美味
分類
軟体動物門頭足綱鞘形亜綱十脚形上目ツツイカ目閉眼亜目ヤリイカ科ジンドウイカ属
外国名
Japanese squid
学名
Loliolus (Nipponololigo) japonica (Hoyle, 1885)
漢字・学名由来

漢字 神頭烏賊、磁頭烏賊。
由来
和漢三才図絵/[佐々木 望(マドカ)博士は日本産頭足類を精査されたが、和名を与えることは極めて 少なく、各地呼称を記した程度だった。同氏は Loligo japonica に対してジンドウイカの和名を与えられたが、何処の方言かは、私は知らない。 “ジンドウ”を辞書で見ると結局、寺島良安の和漢三才図絵(正徳 2 年;1712)の項を写したものと見える。“細かい竹を編み、河の中に立てゝ魚を追い入れて捕らえるもの”と あって、Loligo の外套の形が之に似ているから起こったものであろうかと想像する。]『夢蛤』
じんどう/矢の先の部分、鏃(やじり)の形のひとつ、「神頭」に似ているからではないか? 「神頭」は木で作られて平たい。

夢蛤
吉良哲明が1946年から14年間にわたり編集、発行した貝類学の交流雑誌。黒田徳米、波部忠重など歴史に残る軟体類・貝類学者が参加。貝類の分類・検索など様々な議論がなされた。
佐々木望
Sasaki (まどか/明治16年〜昭和2年 1883年〜1927年)。動物学者。軟体類とくに頭足類の分野に貢献。
和漢三才図会
わかんさんさいずえ。正徳2年(1712)に大坂(大阪)の医師、寺島良安によって編まれる。江戸時代の図入りの百科事典。
地方名・市場名
メトイカ
サイズ / 時期小型 場所神奈川県三崎など相模湾周辺 
ヒイカ[雛烏賊]
備考魚鑑にある。〈ひいかあり、これ雛烏賊(ひないか)なり〉 場所茨城県、東京都など 
コイカ[小いか]
備考市場などでの一般的な呼び名 場所関東 
アカイカ[赤いか]
場所静岡県焼津市 
ケンイカ[剣烏賊]
場所徳島県阿南市 
ボウズイカ ハナイカ[花いか] マルイカ[丸いか]
参考文献より。 

概要

生息域

海水生。
北海道南部〜九州南岸。南日本には比較的少ないのではないかと考えている。
朝鮮半島南部、華北。

生態

■ 孵比較的穏やかな内湾に棲息する。小魚などを食べている。
■ 水深1メートルから10メートルくらいの内湾で春から夏に産卵する。

基本情報

関東では「小イカ」、「ひいか」とされているが、ヤリイカやケンサキイカの幼イカと比べると安くて手頃。ジンドウイカ属のなかではいちばん北に生息域を持つ。
東北から常磐、銚子までの太平洋沿岸で底曳き網などでまとまってとれる。
関東などではスーパーや魚屋で普通に普通に並び、小イカの定番的なものとなっている。総菜などに利用されていて、日常的な食材だ。

水産基本情報

市場での評価 入荷量は少なくない。安い。
漁法 底曳き網
産地 宮城県、福島県、茨城県

選び方・食べ方・その他

選び方

褐色で透明感のあるもの。

味わい

年間を通して味が良く、旬は不明。
皮に厚みがあり、剥きやすい。
身は柔らかく、熱を通しても硬くならない。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

ジンドウイカの料理法・調理法・食べ方/生食(湯引き)、煮る(トマト煮込み、煮つけ、塩ゆで)、ソテー(オイル焼き、バター焼き)、麺(パスタ、ビーフンなど)、焼く(丸焼き)、汁(スープ、みそ汁)
ジンドウイカの刺身(湯引き) 大振りで新鮮なものは刺身にして非常に美味。脚を外し内臓を取る。水分をよくきり、皮をていねいに剥く。刺身状にして塩水に一瞬くぐらせて氷水に落とし、水分を取る。湯に通すことで食感が生まれ、甘み、イカらしい風味も増す。

ジンドウイカのトマト煮込み 水洗い、水分をよくきっておく。モロッコインゲンは刻む。外套膜に塩コショウする。パンで外套膜を炒めて、モロッコインゲンを加える。トマトソースを加えて煮込む。トマトの旨味とイカの旨味が相まって非常に旨味豊か。パンなどにとても合う。
ジンドウイカの煮つけ 足を外し、墨(すみ)などを取り去る。この胴の部分に足を詰め込んで水分をよくとる。鍋に醤油・酒・砂糖・水を煮立たせて、少し煮つめたところに入れて絡めながら煮上げる。軟らかく、甘辛い中にもイカのうま味と甘味が生きている。
ジンドウイカの塩ゆで 小振りなものは、ざっと水洗いして水分を切り、強めの塩水で短時間ゆでるといい。ゆでたら、おか上げする(ザルなどの上に乗せて冷やす)、そのまま食べる。また酢みそで食べたり、ワケギなど野菜と和えてぬたにしてもうまい。
オリーブオイル焼き ジンドウイカはさっと水洗いして水分をよく拭き取る。フライパンにオリーブオイルを入れてつぶしたニンニクも加えて火をつける。ニンニクの風味が油に移ったらニンニクを取りだし、ジンドウイカを丸のままソテーする。仕上げにジェノベーゼソースを加えて和える。フランスパンと相性がいい。
イカとトマトのスパゲッティ 生のジンドウイカの刺身状に切ったものと、皮をむいたトマトをあらくつぶしたものを、オリーブオイル、すり下ろしニンニクを合わせて置く。ここにゆでたてのスパゲッティを入れて和えるだけ。ゆでたパスタをオリーブオイルでソテーしたジンドウイカと和えるなどバラエティ豊かに使える。
ジンドウイカの焼きビーフン 水洗いして胴とげそを分ける。今回はげそのみ使用するがよく水分をきる。 玉ねぎ、インゲンなど野菜を切る。ビーフンは沸騰した鍋にコップいっぱいの水を加えたものの中で3分(製品によって違う)。水分をよくきる。パンにショウガ・にんにくみじん切りと太白ごま油を加えて熱し、げそ、野菜、ビーフンの順に入れていく。紹興酒、塩コショウ、ハイミーで味つけする。
ジンドウイカのぽんぽん焼き 軽く水洗いして水分をよく拭き取り、振り塩をする。これを炭火、もしくはガスレンジの魚焼きに入れて強火で焼き上げる。定置網などの漁師さんはときどき胴の部分が「ポン」とはぜるので「ぽんぽん焼き」などと言う。焼きたてを食べるとたまらない。
ジンドウイカのタイ風スープ げそを抜き、墨や内臓を取り去る。水分をよく切っておく。具(ここでは冬瓜)は適当に切り、湯通しするものはしておく。水にカー(しょうがでもいい)、コブミカンの葉、辛い唐辛子(プリックキーヌーなどなんでもいい)を入れて火をつける。火の通りにくい具を煮る。イカ、ライムジュース、塩で味つけして少し煮る。魚ほどは強いうま味が出ない分を辛味と酸味で補う。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど