生食(刺身、セビチェ、カルパッチョ)、煮る(煮つけ)、汁(みそ汁、潮汁)、ソテー(バター焼き)、焼く(塩焼き)、揚げる(唐揚げ)
キマダラヒメダイの刺身 三枚に下ろして皮を引き、刺身状に切る。ここでは角造りにしてみたがそぎ切りにしてもいいし、薄作りにしてもいい。数日経っても血合いの色合いがそれほど黒ずまない。均質な白身で舌触りがよく、脂は身に混在して甘味となって感じられる。
キマダラヒメダイの焼霜造り(あぶり) 三枚に下ろして腹骨・血合い骨を取る。皮は厚みがあって強いので、湯をかけても柔らかくならない。ここではバーナーであぶって急速冷凍庫(氷水に落としても)で皮目を落ち着かせて切りつける。皮の食感、皮と身の間の脂の層の甘味が加わり実にうまい。
キマダラヒメダイのカルパッチョ 三枚に下ろして大型は血合いと腹骨を切り離す。小型は腹骨を取り、血合い骨を抜く。できるだけ薄く切りつける。皿ににんにくをなすりつけて油(ここでは太白ごま油、オリーブオイル、グレープシードオイルなどなんでもいい)をかけ回し、振り塩をして皿に伸ばす。切り身を皿に敷き詰めるようにしてスプーンでトントンと馴染ませる。上からも振り塩、油を回しかけて、好みの野菜、果物などをちりばめる。油ではなくドレッシングをかけ回してもいい。
キマダラヒメダイのセビチェ セビチェはラテンアメリカで作られている柑橘類と塩でのマリネだ。三枚おろしにして皮を引き、刺身などにした残りの切り落としなどを集める。塩と柑橘類(ここではライム、レモンでも日本の柑橘類でもいい。柚子を使うと和風になる)でしめる。酸が全体に回れば、辛い青唐辛子、紫玉ねぎ(玉ねぎ)を加えて和える。スピリッツに合う。
キマダラヒメダイの酒塩煮 大振りのものは切り身にして、小振りは二等分する。大振りの兜もいい。一度湯通しして氷水(冷水)に落として残った鱗、滑りなどを取る。これを酒、塩、水で煮る。火が通ったら、振りしょうがをして出来上がりだ。頭部の皮のうまさは官能的、身も硬く締まらず、豊潤な味。兜(頭部)を使うと豪勢である。
キマダラヒメダイのしょうゆ煮 上品な白身で、あっさりたんぱくに煮てもいいが、九州の薄口しょうゆと黒糖とか、酒、白砂糖、しょうゆなどでこってり煮上げてもいい。大型のものは兜(頭部)だけ、切り身を煮つける。小振りのものは二等分して煮る。甘辛く煮つけてもちゃんと白身のうま味、皮のぷるんとした食感と甘味が感じられてとても味がいい。
キマダラヒメダイのバター焼き キマダラヒメダイは三枚に下ろして適宜に切る。塩コショウしてたっぷりの油でこんがりとソテーする。余分な油を捨ててマーガリン(バター)で風味づけをする。仕上げにしょうゆをたらしてもいい。こってりとしたマーガリン味なのにとてもご飯に合う。しょうゆをたらすとよりご飯がすすむ。ビール、泡盛にもいい。
キマダラヒメダイのみそ汁 刺身やソテーにした残りのあら、卵巣、肝などを集めておく。これを湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめり、血液を流す。これを水(昆布だし)から煮出す。酒を加えて、火が通ったらみそをとき入れる。仕上げにしょうがの搾り汁を振ってもいい。上品な味わいだが、うま味に奥行きがある。これでご飯もいいし、酒のしめもいい。青み、薬味などはお好みで。豆腐やなす、ごぼうなどと合わせて作ってもおいしい。
キマダラヒメダイの塩焼き 二枚に下ろして骨つきの方を適宜に切る。振り塩をしてできれば1時間以上置く。表面の水分を拭き取り、じっくりと焼き上げる。上品な味わいなのに、皮目に独特の好ましい風味があり、適度に繊維質の身は骨離れがよく甘い。非常に美味である。意外に白ワインなどにも合う。
キマダラヒメダイの唐揚げ 三枚に下ろして適当に切る。水分をよく拭き取る。これにコショウ、カレー粉、ガラムマサラなどで香りづけする。片栗粉をまぶして少し置き、また片栗粉をまぶしてじっくりと表面はかりっと香ばしく中は豊潤に揚げる。
キマダラヒメダイの洋風炊き込みご飯 三枚に下ろして腹側を使う。適宜に切り、強い塩をしてコショウをまぶす。1時間以上寝かせて、油たっぷりのフライパンでにんにくと一緒にじっくりとソテーする。これを水洗いし水加減した米に加える。油は好みで還元する。炊き込みの釜にローリエ、セージ、タイム、ディルなどを加えて一緒に炊き込む。炊きあがって塩加減を見て塩を振る。