バラヒメダイ

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50cm SL 前後になる。細長く側へんする。体側には斑紋がなく、全体に少し赤みがあり、背の部分に黄色い斑紋が鱗上にある。側線有孔鱗数は48-52。目の下・吻の後ろ・頬に斑紋がない。頭部背面には不規則な筋があるが比較的縦方向の筋が多い。尾鰭は赤っぽい。[58cm SL・3.632kg]
目の下・吻の後ろ・頬に斑紋がない。
頭部背面には不規則な筋があるが比較的縦方向の筋が多い。
尾鰭は赤っぽい。
珍魚度・珍しさ★★★★
正に珍魚・激レア生物
魚貝の物知り度 ★★★★★
知っていたら学者級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目フエダイ科ヒメダイ属
外国名
学名
Pristipomoides typus Bleeker, 1852
漢字・学名由来

漢字/薔薇姫鯛 Standard Japanese name / Barahimedai
由来・語源/古くはナガサキフエダイとされていたもの。ナガサキフエダイが全体に黄色いのに対して、本種は赤みがかっているためだと想われる。千田哲資、陳新民の命名。1975年。

Bleeker
Pieter Bleeker(ピーター・ブリーカー 1819-1878 オランダ)。医師、魚類学者。『東インドオランダ領の魚類図鑑』(Atlas Ichtyologique des Indes Orientales Netherlandaises 1862-1878)。軍医としてバタビア(現インドネシアジャカルタ)に赴任。インド洋、西太平洋の魚を採取。
地方名・市場名

概要

生息域

海水魚。100m寄りも深場。
鹿児島県指宿市山川港沖、沖縄諸島。
台湾、中国東シナ海沿岸、南沙諸島、東インド洋-西太平洋(ニューギニア島南岸・オーストラリア北岸・ソロモン諸島以東を除く)。

生態

基本情報

生息域としては鹿児島県以南だが、同定(見分ける)が難しく、詳しい生息域は不明。
鹿児島県、沖縄県で行われている中深場のマチ漁(ハマダイ、ハチジョウアカムツなどを狙う)で揚がったものであるようで、キンメヒメダイ・ナガサキフエダイなどと区別しないで扱われていた可能性がある。
ナガサキヒメダイと似ているがこちらも珍しい魚である。
大型になり高級魚として認知されているヒメダイ属なので、今現在でも流通すれば種不明でも高級である。
珍魚度 非常に珍しい。希に水揚げされることがある。

水産基本情報

市場での評価/鹿児島県のみで競りにかけられたもの。高価である。
漁法/釣り
産地/鹿児島県

選び方・食べ方・その他

選び方

身に張りがあり、体色の赤身や銀色などの色合いがあるもの。鰓が赤いもの。

味わい

旬は不明。
鱗は大きく硬いが取りやすい。皮は厚みがあり強い。
血合いの赤い白身で熱を通しても硬くならない。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

バラヒメダイの料理・レシピ・食べ方/生食(刺身、カルパッチョ・酢締め)、焼く(塩焼き)、煮る(煮つけ、まーす煮)、汁(みそ汁)
バラヒメダイの刺身 血合いが赤く、典型的なハマダイ属の刺身とみた。今回、4月の固体は脂があるのか舌にねっとりとした食感があり、うま味が非常に強い。高級魚だらけのフエダイ科でも上位の味である。
水洗いして三枚に下ろす。腹骨・血合いを取り皮を引いて刺身状に切る。
バラヒメダイのカルパッチョ にんにく風味のオリーブオイルとからめたにも関わらず、しっかり本種の持ち味が生きている。甘みがあるし豊かなうま味もある。柑橘類の味が後味を決めるといった感じもする。
三枚に下ろして皮を引き、できるだけ薄く切りつける。皿にすり下ろしたにんにくとオリーブオイル、塩をしき、身を並べて行き、上からも振り塩をしオリーブオイルをたらす。
バラヒメダイのライム締め 塩味とライムの酸味と香りをまとった切り身で、非常にあっさりしている。ライム果汁で適度にしまった身がとても味わい深い。スピリッツにとても合う。
三枚に下ろして刺身にしたときの余りなどを集めて細かく切る。塩をまぶして、1時間以上置き、ライム果汁を加える。ハーブやケーパーなどを加えて和える。
バラヒメダイのまーす煮 強い塩味で煮たにも関わらず、おだやかで優しい味である。皮にも身にも豊かな味がある。ご飯に合わせてもおいしいと思う。一緒に煮た豆腐がまた非常にうまい。
ここでは三枚に下ろし、腹骨周りの身を使った。これを強めの塩水の中で、強火で煮上げる。5分程度煮えたら豆腐を加え、終いに青みを加えて出来上がり。
バラヒメダイの煮つけ カマの部分で骨も多いが身も多い。身を掘り出して食べるとほどよく繊維質で、舌の上で容易にほぐれる。身に甘味があって非常にうまい。
水洗いしてカマの部分を切り出す。湯通しして冷水に落とし、残った鱗やヌメリを流す。水分をきり、酒・砂糖・醤油・水、しょうがで煮る。
バラヒメダイのみそ汁 頭部だけで作ったものだが、思った以上に身がついている。もちろん骨の多いところなので、非常にいいだしが出てもいる。うま味豊かな汁に身や皮の味わいと、とても豪華な感じのみそ汁になる。
頭部だけを適当に切る。湯通しして冷水に落として残った鱗やヌメリを流す。水分をよくきり、水から煮出してみそを溶く。
バラヒメダイのバター焼き(ムニエル)
バラヒメダイの塩焼き カマの部分だが身がたっぷりついて食べでがある。焼き上がりは香ばしく、身は程よく繊維質、口の中でのほぐれ感がいい。身自体の味わいも豊かである。
水洗いしてカマの部分を切り取る。塩をまぶして1日寝かせる(最低で1時間くらい)。表面に出て来た水分をとり、じっくり焼き上げる。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど