202409/04掲載

トコブシを食べて息つく、去らぬ夏の日

せいぜい4個もあれば深夜酒には間にある


最近、舵丸水産で貝などを買うと、「4つも買うんですか?」と若い衆に言われる。
「も」はいらんだろう、「も」は。
トコブシは4つあれば醤油で煮ることが出来る。
1つでは煮てもおいしくないので、4つなのだ。
買い物は最低限が正しい。

昼に煮て、保存容器に入れてあったもの。
深夜に器に盛り込んで、あとは、群馬県の「妙義山」四合瓶を机にトンと置く。
あとはゆったり楽しむのみ。
ちなみに池本惣一さんの器は天地逆。池本惣一さんにほんのちょっとだけゴメンナサイだ。
さっと煮て、鍋止めして、冷やしたものなので、柔らかい。
火は通っているものの脆弱で、冷や冷やとしてうまし。
いつたべてもトクブシの醤油煮は昔ながらの平凡な料理のよさを感じる。
今回はワタが肥っていた。
このワタだけでも「妙義山」正一合いけそうだ。

国産らしい姿に惹かれての買い


八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産にこのところトコブシが来ている。
安定的に来ることのない貝なので見つけたら買う。
前回と同じ荷なので和歌山県産だろう。
それにしても、トコブシはめったに来なくなった。
これは、海岸線の破壊、無駄な構造物を作りすぎているための減少で、温暖化のせいとは言い切れない。
表面の汚れを流し、水分をきる。
鍋に酒・醤油・水を入れて8分ほど煮る。
そのまま鍋止めする。
夜まで冷蔵保存する。

このコラムに関係する種

トコブシのサムネイル写真
トコブシTokobushi abalone、台湾/九孔海水生。潮間帯の岩礁域。北海道南部〜九州。台湾。・・・・
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