202406/28掲載

ちょっとう濃い味、アオメエソの肝入りみそたたき

昔は明らかに未利用魚だった


若い頃作っていたのに作らなくなった料理は数知れずある。
肝・にんにく入りの「みそたたき(なめろう)」もそうである。
ポジフィルムしかなかったときで、デジタルでの撮影を始めてからは作っていない。
これをいろんな魚で作ろうと思い立った。
初手は、かれこれ40年以上前に作ってみたことのある、「目光の肝入りみそたたき」である。
茨城県水戸から那珂湊と車で回り、浜の魚屋でバケツいっぱいの目光(アオメエソ)をいただいた。
アイナメとかハマグリ(チョウセンハマグリ)とかのオマケにいただいたくらいなので、昔は本種も未利用魚だったことがわかる。
そのときに教わったのは単に「みそたたき」だけど、後に肝やにんにくを入れた濃厚な味わいの虜になる。

若いときの懐かしい味


八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産で茨城県日立産の比較的大振りなアオメエソを買う。
さっそく水洗いして三枚に下ろす。このとき肝を取り分けて置く。
今回は肝が小さかったが、最近ではこれくらいでちょうどいい。
腹骨・血合い骨を大まかに取り、細かく切る。
ここに湯通しした肝、ねぎ、みそを加えてたたく。
本種はたたくそばからねっとりとしてくる。
切れる包丁でやるのが「みそたたき」の基本だが、脂がある魚なのでどうしてもネバリが出てしまう。

脂でねっとりした味わいに冷やした酒が合う


酢は入れずにそのまま、ちょぼちょぼと箸を伸ばし、酒を飲む。
味はやや濃厚でどっしりとしている。
脂のとろっとした甘みがあり、そこそこ魚らしいうま味が舌に残る。
後口が悪くないので、冷やした日本酒で洗いながら食べると、止まらなくなる。
気がつくと、皿の上にはなにもなし。

このコラムに関係する種

アオメエソのサムネイル写真
アオメエソBigeyed greeneye, 青眼魚、大眼青眼魚海水魚。水深150-620mの大陸棚縁辺から斜面上部。海徳海山、相模湾〜九州南岸の大平洋沿岸、新潟県、富山湾、若狭湾、・・・・
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