202403/13掲載

2024年3月、東京都中央卸売市場、大田市場

大田市場は東京都の中央市場ででかい


市場を巡る旅はブログでは公開していたもの。長年中断していたが再開する。まずは東京都大田市場から。
東京都大田区東海という地名はだれも知らないと思う。東京都に住んでいてもわからない可能性が高い。羽田空港の北側と説明するのがいちばん簡単かも。
昔は海だったところで、たぶん一面にノリ養殖のための「のりそだ」が立っていたり、アサリやハマグリがとれたり、沿岸の小規模な漁が行われていた場所である。
東京都には青果だけではなく、水産物を扱う中央市場が、足立(南千住)、豊洲、そして大田と3つある。中でももっとも遠い場所、車がないととても行けないところにあるのが大田市場である。逆にみると交通機関を使うと僻地だが、車を使うとやたらに利便性がよくターミナルになり得る場所でもある。
中央市場は農林水産大臣の許可を得て、大卸が世界中から食品を集めてきて、販売(卸)するところで、大卸、仲卸で構成されている。またこれに付随する関連店舗があるのも特徴である。
大田市場には花卉(花)、青果(野菜)、魚介類の大卸があり、その仲卸がある。基本的に中央市場は業者のものであり、一般客が立ち入ることは難しい。
大田市場は昔、なんども行っており、珍しい水産物や情報などの提供もいただいている。懐かしい市場と言ってもいいだろう。

昔ながらの仲卸も大切にしたい


昔は多くの仲卸が店舗を構えていて、仕入れに来る人も多くにぎやかだったが、今や昔ながらの市場といった場所は縮小して、最新の流通の拠点と化している。
このように魚を店に広げて売る昔ながらの仲卸があると、ほっとする。

フーディソン 魚ぽちは仲卸ではあるが、非常に新しい


ちなみにこのネットなどを使った、新しい水産仲卸・小売り・デリバリーは、市場流通から離れたところにいて、市場価値(良識的な値段)から離れつつあるとばかり思っていた。
今回、フーディソンの方達に案内して頂き、意外にも市場流通という正常な形をそのままに利用していることを知る。これも非常に有意義であった。市場流通はとても重要である。これを価格高騰の元凶のように宣うヤカラ達がいるが、間違いなく無知で愚か者である。市場流通は価格安定になくてはならないし、水産物にとっての動脈である。第一、省エネでもある。
ちなみにボクは水産の世界とも、水産振興をしようなどとも全く考えていないが、漁業をいかに末永く持続するか、は日々考えている。
このように古い流通の世界を尊びながら、新しいシステムと構築する方が何倍もいい。ちなみに水産物の水揚げ、消費地までの流通もふくめて農林水産省の管轄、実際の売り買いや小規模の流通は経済産業省となるはずである。要するに水産振興は単独の省ではできないと思っている。今どきの縦割りで新の水産振興なんて出来るんだろうか? 余談になるが水産振興は今どきのお祭り騒ぎ的なものを、いくらやっても税金の無駄使い、無意味だと考えている。行政はできるだけ地道なことに専念すべきである。

苫小牧の小エビをていねいに梱包して頂く


さて、フーディソンには、苫小牧から来たエビをゆずって頂いた。北海道の沿岸域に多いキタツノモエビだと思うが、専門家の意見を聞かないと、同定はできそうにない。
このように地域的な水産物を探しているところなども、非常に興味深い。今や仲卸はただただ売るのではなく、水産物を開拓しなくてはいけない。
フーディソン大田 魚ポチ 星野健一郎さんほかに、非常にお世話になりました。


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