202306/11掲載
鯛すきは夏のもん
玉ねぎなくして鯛すきはできぬ

まだまだ続くぞ、産卵期のマダイ、なのである。兵庫県明石、青森県下北、千葉県銚子、大分県などなど値頃であれば買い、下ろして脂ののりをチェック、西京漬けに鯛の天ぷら、フライ、煮つけ、ムニエル、などなどなど捨ててはいかんので食べた。
中でも鍋くらい魚島(安くてその割りにうまい)のマダイを消費しやすいものはなかった。
マダイなどの魚すき、水炊きを盛んに作っていたのは関西、瀬戸内海周辺だと思う。魚好きは魚を割り下で煮ながら食べるもので、長谷川幸延(明治時代に曾根崎で生まれた生粋の大阪人で劇作家)ではないが、いかにも浪花という感じがする。
だからマダイの魚すきは夏の季語(季語辞典的なものではなく、ボクの、だ)である。そこそこうまいマダイが旬の時季の半値どころか十分の一の値段で買えて、たらふく食べられる。大阪を中心とした関西好みといった感じがやたらにする、のである。
さて割り下は酒・みりん・醤油・水・砂糖少々を予め合わせて一煮立ちさせて置いたものだ。作るときはたっぷり作りおいて様々な料理に使い回す。
マダイは水洗いして、中骨などは湯通しして冷水に落とし、水分をきり、昆布と一緒にだしを取る。身は皮付きのまま食べやすい大きさに切り、湯通しして冷水に落とし水分をきっておく。
なくてはならぬのが、この時期に出てくる玉ねぎで、あとはお好きなように、というので、魚好きとなる。