明石サワラはウマスギだった
すごいサワラには素直に刺身、がいい
サワラは最近、あぶり(焼霜造り)にすることが多い。
刺身にはハズレがあるが、あぶるとハズレなしだからだ。
ただし今回は刺身が上だった。
脂だけではなく、身に豊かなうま味がある。る。
あぶった香ばしさはいいにしても、あまりにも身自体の味がいいので、香りが邪魔だ、と思うほどにおいしい。
さすが、明石海峡でとれたサワラはすごい。
ぜったいうまいあぶりだけど、刺身に霞む
まあ、刺身にうっとりしたからといって、あぶりがまずいわけではない、どんなにうまい刺身でも連続して食べる気にはなれない。
合いの手以上に、必要不可欠の存在感がある。
刺身で感じなかった豊かな脂が、一度熱を加えることで固体と液体の中間の状態で舌に止まる。
この日、3㎏上を半身買ってもよかったし、この「やなぎ」サイズ1尾買ってもよかったので惑った。
結局、明石海峡の「やなぎ」が正解だった。
「浦」は明石浦の「浦」だった
八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産に「浦」というタグのついたサワラが来ていた。体長65cm・2㎏なので正確には「やなぎ」サイズである。
このサイズは微妙である。もう一回り大きければいいのだけど、いかなサワラの旬とはいえども、必ずしも脂が乗っているとは限らない。
隣には3、4㎏サイズがあって、当然、売れ行きがいい。
さすがに「やなぎ」で、産地不明では手が出ない。
触った感じと値段の安さから「浦」にする。
支払いをしていて、「浦」の下にある文字に目をこらしてやっと産地がわかった。
なんと兵庫県明石市、明石浦漁協ではないか。
この「浦」はやめたほうがいいよ、といいたい。
ほんの10年前まで、関東では流通上、「明石」すら知名度が低くかったのだ。
やっと「明石」の知名度を上げたのに、「明石」を消したらあきまへん。
さて、この「やなぎ」がすごかった。
たぶん舵丸水産で隣にあった3㎏上を凌駕しているに違いない。
実際、帰宅して三枚に下ろす包丁が重いのなんのって。
まずは生で、ということで。
腹側をあぶりにして、背を刺身にした。
■舵丸水産は、一般客に優しく、水洗い・下ろしなどをやってくれるので、ぜひ近くにお住まいの方は一度お寄り頂きたい。