イシガキダイの小は大にうまい
まずは素揚げで偽ビールで乾杯
偽ビールと室温の高清水辛口を並べて、唐揚げ&ビール、刺身&日本酒で逢魔が時を過ごす。
偽ビールは350mlだし、日本酒は5勺なので、食べた後、軽く眠るためのアルコールだ。
縦半分にがざっと割った素揚げは、中心部分はしっかりイシガキダイの味がし、その他の部分が香ばしい上に香ばしい。
揚げ過ぎなくらい揚げているので、鱗も気にならず、中骨以外はさくさくと食べられる。
ものすごく手を抜いた料理の割りに偽ビールが進む。
活魚でもないし成魚でもないけど、この刺身は非凡
素揚げ→偽ビールときて、刺身をつまんで日本酒をやる。
これじゃ仮眠じゃなくて睡眠になりそうだ。
イシガキダイ小は並流通のものなので、刺身の見た目は平凡だけど、味は非凡。
小さいにもかかわらずうま味が強くて、ほどよく脂が乗っている。
高清水辛口を飲みきって、これにてほろよい、睡眠ではなく仮眠するのだ。
見た目はくすんで黒いけど、中身は最高なのだ
八王子綜合卸売センター、福泉に最近、連続して岩手県宮古からイシガキダイの若い個体が来ている。体長18cm・200g前後だ。
このサイズは安い割りにとてもおいしいのである。
ちなみに1980年代、2000年代に宮古市周辺に行っているが、このときはイシダイの若い個体しか見ていない。市場に小山をなしていて、とても安かった。
イシガキダイの若い個体はオホーツク海でも見つかっている。でも三陸で、10月半ばなのに若いイシガキダイが出荷できるくらいとれているのは異常である。
イシガキダイとイシダイは生息域が重なるが、ややイシガキダイの方が温かい海域にいる。この海域でもその内、イシガキダイの成魚が水揚げされるようになるに違いない。
念のために、古く東北ではイシダイすら若魚サイズまでの無効分散(再生産しない)だったが、近年は成魚が揚がっている。三陸で産卵している可能性がある。このままいくと三陸でもイシガキダイの成魚が揚がる可能性が高い。
イシガキダイの特徴は小さくてもうま味があり、ほどほどに脂がのっているということだ。
今回は1尾は素揚げに、揚げている間に1尾は刺身にしてみた。
素揚げは鱗はとらず、頭を落としてわたを出す。
水分をよくきり、低温で10分以上揚げて、一度出す。
今度は高温で色がつくくらいに揚げる。
縦に割るとがざっと割れるのが目安いである。
刺身は鱗はそのまま頭部を落としてわたを取る。
三枚に下ろし、腹骨・血合い骨を取り、皮を引き刺身状に切る。
■八王子綜合卸売センター、福泉は加工品と鮮魚ともに購入できます。