
八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産に北海道根室・厚岸産マイワシが連続してきている。
近所のスーパーにもあるので、一消費者になるとこれまた北海道産のサンマか、北海道産のマイワシか、で迷うかも。
非常にいい感じの岩手県産ゴマサバが格安なので、そっちもいいとかとか。
さて、北海道根室産は売れに売れ、残ったのはたったの5尾だけ。
市場の残りものにいいものはなし、なので迷ったけどすべて買う。
残り全買いは気持ちのいいものだ。
刺身になりそうなものは1尾しかないので、とりあえず1尾だけ刺身で味見。
根室で10月半ばといえば本来は冬だろうに、それほど低水温に強くないマイワシが揚がり、しかもべっとりと脂がのっているのって、不思議である。
温暖化はわかっているのに、信じられぬ思いがする。
それにしても10月の根室産マイワシは非常にうまい。
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ナイフに縁はないけど、ナイフについて。
2025年2月。真冬の南会津では市街地にしか行かなかったのに、いろんなことが起きた。
数時間の内に膝上までの降雪があったためで、四国生まれのボクには畑の中の一軒家に行くのさえ、試練だった。
そんな雪の中でちょっとしたことがあって、ほんの数十分共同作業をした名前も知らない人に、ポケットにあったナイフを差し上げた。
ボクは都内に帰るけど、そのまま南会津に数日いるというからだ。
このときナイフを持つ意味を知った気がする。
フィールドワークに出るときには必ずナイフ2本は持っていく。
主に漁港や競り場、防波堤釣り、淡水の釣りで使うが、刃物好きではないので、例えば勝手知ったる小田原には持っていかない。
会津で差し上げたものは岐阜県の山間部のホームセンターで買った黄色に近いオレンジのもの。値段は1000円以下だったはず。
今回買ったものは青緑色で、少し高いけど体調不良で買い物に行けないので仕方がなくアマゾンで買った。
ナイフにはまったくこだわりがないけど、絶対黒や渋い色は買わない。
頻繁に使う人は目立たなくてもいいし、本格的なものの方がいいけど、ボクのように非常にアマチュアで、山に入ることもなく、ときどきしか使わない人間にはなくしやすいのもあって目立つものの方がいい。
以上は今のボクのナイフノート。
ときどき改訂していく。
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今年とれないはずのサンマが豊漁なのは、なぜ? なんて専門家は考えている気がする。
たぶん漁業の予測はつかないのに予測している、想定できないのに想定外という専門家が大好きな言語が飛び交いそうで恐い。
きっと、予測外だったときはなぜ、予測が外れたのか? に予算を使う気がするが、これこそが税金の無駄遣いだろう。
漁業の予測とか資源学は一般人にはまったく意味がわからない。
科学と言えるものなんだろうか?
しかも10月下旬になってもサンマは、ほぼ北海道産なのだ。
たぶん鮮サンマ(そのまま流通)だけではなく、冷凍用サンマも加工し始めているのだろうけど、今年の鮮サンマっていつまで続くんだろう?
ちなみにボクは時季にしか魚は食べない主義なので、冷凍サンマは気になることがあったときにしか買わない。
冷凍保存するくらいなら、できるだけたくさんの個体を南下させてやってくれないかな。
なんて水産業のことは、まったく考えないで思ったりもする。
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10月3日の新潟旅はいつものように新潟漁業協同組合の競り場から始まる。
水揚げされている水産生物をすべてチェックして、今度は海から遠い田園地帯にある中央市場に行く。
ここは水産大卸が新潟冷蔵、山津水産の2社あり、日本海側屈指の大型の市場である。
新潟市の人口は76万人あまり、考えてみると我が故郷徳島県の人口よりも多い。
しかも県内だけではなく阿賀野川をさかのぼり、福島県にも荷を送り出している。
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軽く眠っただけで、元気なくたどり着いても小田原魚市場をひとまわするとシャキッとはしないけど、ある程度はしゃんとする。
ただし残念なことに、むりやり来たので目が見えていない。
オヤビッチャの隣にコトヒキがいる、と思ったら二宮定置の山崎さんが、「ヒメコトヒキですね」、といってくれた。
めったにとれないし、売れない魚なので意外に手に入れるのが難しい。
いいわけがましいが、元気なら真っ先に見つけたはずなのに、疲れすぎているので反応できなかった。
ヒメコトヒキにしては非常に大きい、と言っても体長14cm・83g しかないが、相模湾では最大級だろう。
触ったら硬いというか身がぎゅうぎゅうに詰まっているようだ。
表面の手触りに脂感がある。
下ろしてみたら、もっとすごかった。
本種の身色がこんなに美しいとは思わなかった。
血合いの赤味こそ弱いが脂が層をなしている。
くせのない上質の白身で下にねっとりとからみつく。
そこに脂の口溶け感がある。
刺身としては今年いちばんかも知れぬ。
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専門分野のない人はあやしいというか信用できない。
なんでもかんでもやれる、とかやっています、という人には会いたくない。
宇宙船ビーグル号のようなこともあるので総合科学という分野もあると思うけど、それも総合科学という分野なのだと思う。
ボクにも専門分野があって、人と水産生物の関わりを調べている。
文系の民俗学的なものと分類学の合体である。
残り時間が少なくなっているので、分野の幅を狭めている。
7月に長野市から信濃町まで旅をしたのは、若いとき北国街道で運送の仕事をしていたという方に会うためだ。
北国街道は佐渡の金を運び、直江津からスケトウダラを運んだ道だ。
上信越自動車道ができる以前のことすら知らないので、1945年の敗戦後すぐに現役だった人の話が聞きたかったが、残念なことに85歳の壁を超えられなかった。
収穫と言えばこの国道18号線、豊野町、飯綱町、信濃町にドライブイン的な飲食店や廃墟が多いことが確認できたこと。
上信越道が開通して30年近くになるが、これも北国街道の遺構だろう。
飯綱町、滝澤農園の滝澤さんに教わった、『さかえや飯店』で、昼ご飯を食べた。
普通のラーメンとチャーハンだったが、とても普通に、満足度高い昼ご飯だった。
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ボクは庶民的な下世話な菓子が好きだ。
もちろんおしゃれなものもいいし、京都滋賀などにあるツンと取り澄ましたような菓子だって嫌いじゃない。
でもそのような見た目のいい菓子というものを見つけても、脳みそからいきなり手が出るほど食いたいか、というとそうでもない。
今回、「道の駅 大月 ふれあいパーク」で見つけた有田有為堂製菓「羊羹巻」なんざー、気がつかない内に手に持っていた。
心と体が同時に欲しがったためで、本能買いという。
日本中に「羊羹巻(ようかんまき)」があり、いろんな形や生地のものがあるが、カステラ生地がいちばんボク好みだ。
あまりにも好きなタイプなので、そーっと見るだけにしてもよかったけど、おいしそうな磁石に引っ張られて口に放り込んでいた。
荒いカステラ生地のパサっとしたところに甘さ控えめ、柔らかめの桜色の羊羹がくる。
また、大月町に行けたら、買ってしまう、だろうな。
羊羹は決して本格的なものではなく、子供口のボクの心をトントンとたたくような味だ。
有田有為堂製菓 〒788-0302 高知県幡多郡大月町弘見2108−1
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10月3日の新潟旅はいつものように新潟漁業協同組合の競り場から始まる。
新潟県の水産物は南北に長い河岸線と、佐渡、そして日本海に広がる大和堆がある。
1種類の魚の量が多いのが日本海の特徴である。
底曳きが始まっているのでアカムツの量が多く、また新潟市名物「ふなべた(タマガンゾウビラメ)」がていねいな荷の作りで並んでいる。
オオエッチュウバイにチヂミエゾボラ(エゾボラモドキ)、カガバイ、ツバイなども新潟名物である。
まとまった量のズワイガニにも夏の終わりを感じる。
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