チャイロマルハタ

Scientific Name / Epinephelus coioides (Hamilton, 1822)

チャイロマルハタの形態写真

120cm TL 重さ15kg前後になる。尾鰭は丸く、体全体に茶色の斑紋がちらばる。地色に薄い部分・濃い部分はあるがはっきりしない。
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120cm TL 重さ15kg前後になる。尾鰭は丸く、体全体に茶色の斑紋がちらばる。地色に薄い部分・濃い部分はあるがはっきりしない。120cm TL 重さ15kg前後になる。尾鰭は丸く、体全体に茶色の斑紋がちらばる。地色に薄い部分・濃い部分はあるがはっきりしない。120cm TL 重さ15kg前後になる。尾鰭は丸く、体全体に茶色の斑紋がちらばる。地色に薄い部分・濃い部分はあるがはっきりしない。120cm TL 重さ15kg前後になる。尾鰭は丸く、体全体に茶色の斑紋がちらばる。地色に薄い部分・濃い部分はあるがはっきりしない。
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★★
      究極の美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ハタ科ハタ亜科アカハタ属

    外国名

    学名

    Epinephelus coioides (Hamilton, 1822)

    漢字・学名由来

    漢字 茶色丸羽太 Chairomaruhata
    由来・語源 学名はともかく、一般書での標準和名の初登場は1984年だと思われる。茶色の丸い斑のあるハタの意味。『日本産魚類大図鑑』(益田一、荒賀忠一、尼岡邦夫、上野輝弥彌、吉野哲夫 東海大学出版会 1984)

    地方名・市場名

    シナアーラ
    場所沖縄県南城市知念漁協 参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 

    生息域

    海水、汽水域。岩礁地域。
    新潟県柏崎、[岩手県大槌町]、千葉県銚子、相模湾小田原、三重県熊野市、和歌山県田辺市湾、高知県浦戸湾、高知県以布利・沖ノ島、愛媛県愛南町深浦、宮崎県油津、鹿児島県内之浦、沖縄島、西表島。
    台湾、福建省〜トンキン湾の中国沿岸、海南島、東沙諸島、南沙諸島、インド-西太平域。

    生態

    産卵期は夏だと思う。

    基本情報

    主に熱帯域・亜熱帯域に生息する大型のハタ。ハタ類のなかでももっとも味のいい魚である。
    鹿児島県でも高知県、三重県でも2010年前後には珍しい魚であったが、近年よく見かけるようになっている。新潟県や岩手県でも水揚げされたことがあり、北上傾向に存可能性が高い。
    鹿児島県などではいたって在り来たりな存在で、市場価格も高騰してきている。関東でも高級魚として認知されている。
    九州では「あら」、関東では「はた」で出回っている。

    水産基本情報

    市場での評価 活魚、活け締めなども多い。大きいほど高価。超高級魚。
    漁/刺し網、釣り
    産地 鹿児島県、高知県

    選び方

    触って張りのあるもの。斑紋、体色が褪せていないもの。鰓の赤いもの。

    味わい

    旬は寒い時季から夏。産卵後味が落ちる。
    鱗は皮に埋もれている。皮は非常に厚く強い。骨は非常に硬い。
    透明感のある白身で身割れしやすい。熱を通しても硬く締まりすぎない。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    チャイロマルハタの料理法・調理法・食べ方/蒸す(蒸し魚、剁辣椒蒸)煮る(まーす煮、煮つけ、鍋)、汁(潮汁、みそ汁)、生食(湯引き、刺身)、揚げる(唐揚げ)、ソテー(ポワレ)、焼く(塩焼き)

    チャイロマルハタの蒸し魚(清蒸) 梨子割りにして頭部の鱗をていねいにとる。水分をよくきり、皿に入れて酒を振る(紹興酒など)。ネギとしょうがを乗せて15分間強火で蒸す。蒸し上がりに新たにネギなどを乗せて、たれ(紹興酒・魚醬・しょうゆ・少量の砂糖を合わせて一煮立ちさせたもの)をかけ、煙が出るくらいに熱した油をかける。身と皮をほぐし、たれ、ネギと合わせて食べる。ご飯にとても合う。


    チャイロマルハタの剁椒魚頭 頭部を梨子割りにして皿に盛り、酒(日本酒か紹興酒)を振る。剁辣椒(湖南省、四川省で作られている唐辛子の塩漬け)を乗せて強火で15分蒸す。ほぐして剁辣椒、ネギなどを乗せて食べる。実に味わい深くご飯がすすむ。

    シナアーラの塩煮チャイロマルハタのまーす煮 小さなものは丸のまま、大型は頭部(兜)を使うといい。強めの塩水で短時間、強火で煮上げる。煮て軟らかくなり、皮はゼラチン質になる。白身のおいしさをいちばん堪能できる料理だ。煮汁はすこぶるつきにおいしく、これに身や皮をからめて食べる。一緒に煮た豆腐がやたらにうまい。
    シナアーラの鍋チャイロマルハタのちり鍋 中骨と昆布でだしをとる。酒と塩で味つけして切り身を煮ながら食べる。だしにした中骨も味がいいので捨てないこと。ほどよく柔らかく、口のなかでほろっとほぐれる。好みで野菜や豆腐を一緒に煮て楽しんで欲しい。だしの味わいは最上級。鍋として楽しんだ後は雑炊かラーメンなどにするといい。
    シナアーラの煮つけチャイロマルハタの煮つけ 頭部やあらを集めて湯通しする。冷水に落として残った鱗などを取る。鱗は皮膚に埋没して煩わしいのでていねいに取る。これを酒、しょうゆで煮る。ご飯に合わせるならみりん、砂糖などを加えてもおいしい。味つけは好みで。臭い消しはしょうがだが一緒に煮ても仕上げに振ってもいい。
    シナアーラ潮汁チャイロマルハタの潮汁 中骨は湯引きして冷水に落としてぬめりを流す。これは必ずしも必要ではない。これを昆布だし(水でも)で煮て、酒と塩で味つけする。こくがあって味わい深い汁になる。しかも後味がよく嫌みがない。薬味にはあらびき黒コショウをつかった。
    シナアーラの湯引きチャイロマルハタの湯引き 皮はすき引きにする。三枚に下ろして背の部分を塩を加えた湯で表面を白くさせる(ブランシール)。これを氷水に落として水分をきり、刺身状に切る。わさびしょうゆでも、酢みそでも好みの食べ方で。
    シナアーラの刺身チャイロマルハタの刺身 血合いが赤く、透明感がある。見た目にもきれいな刺身になる。脂からくる甘味は少ないが、強いうま味がある。食べ飽きない味である。白身のよさが堪能できる。わさびしょうゆもいいが一味唐辛子にしょうゆもいい。
    シナアーラの唐揚げチャイロマルハタの唐揚げ 切り身の端や、かまの部分などを集めて置く。水分をよくきり、片栗粉をまぶしてじっくりと揚げる。揚げ上がりに塩コショウ(香辛料はなんでもいい。五香粉、ヒバーツ、ナツメッグなどなど)。
    シナアーラのポワレチャイロマルハタのポワレ 三枚に下ろして皮付きのまま適当に切る。これに塩コショウして少し置く。たっぷりのオリーブオイルでじっくりソテーする。切り身を取りだし、シェリーとハーブブイヨンでデグラッセした。バターでもなんでもいい。厚みのある皮がかりっと香ばしくて非常においしい。
    チャイロマルハタの塩焼き 振り塩をして半日から1日寝かせる。鮮度のいいものよりも、少し落ちたものの方が作りやすい。これをじっくりと焼き上げる。鶏肉のような食感になり、ほんのりと甘味がある。締まりすぎるという感じだが味はいい。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/田中水産(鹿児島県鹿児島市)、シーフーズ大谷(京都府京都市)
    『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)、『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012)
  • 主食材として「チャイロマルハタ」を使用したレシピ一覧

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