コクハンハタ

Scientific Name / Cephalopholis sexmaculata (Rüppell,1830)

コクハンハタの形態写真

40cm SL 前後になる。ずんぐりして側へん(左右に平たい)。体表に褐色の小さな斑紋があり、背中後部に短い帯上の濃い褐色の斑がある。[全長41cm・重さ1.21kg]
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40cm SL 前後になる。ずんぐりして側へん(左右に平たい)。体表に褐色の小さな斑紋があり、背中後部に短い帯上の濃い褐色の斑がある。[全長41cm・重さ1.21kg]40cm SL 前後になる。ずんぐりして側へん(左右に平たい)。体表に褐色の小さな斑紋があり、背中後部に短い帯上の濃い褐色の斑がある。[全長41cm・重さ1.21kg]
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ハタ科ハタ亜科ユカタハタ属

    外国名

    学名

    Cephalopholis sexmaculata (Rüppell,1830)

    漢字・学名由来

    漢字 黒斑羽太 Kokuhanhata
    由来・語源 背中後部に黒い斑紋が並んでいるため。本種など熱帯・亜熱帯域のハタ類の国内での研究では山口大学の片山正夫博士が重要な役割を担い、整理し、和名などを多数つけたのではないかと考えているが、情報が見つからない。
    Rüppell
    Wilhelm Peter Eduard Simon Rüppell (エドゥアルド・リュッペル 1794-1884)。ドイツ。博物学者。
    Katayama
    片山正夫(1912~1989年 山口大学教授、山口県生まれ)。広島高等師範学校から農水省水産講習所(後の東京水産大学)。師範学校教師を経て、山口大学へ。特にスズキ科(当時はハタなども含んでいた)を研究。ヒラスズキ、アオダイを記載、和名をつけた。アカハタモドキ、ヤマブキハタなど、多くの和名をつけたものと思われる。

    地方名・市場名

    アカミーバイ
    場所沖縄県南城市知念漁協 備考ハナハタ、アザハタ、ニジハタなど赤いハタ類の総称。 参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 

    生息域

    海水魚。岩礁域、サンゴ礁域のやや深場。
    [熊本県牛深]、小笠原諸島、土佐湾、屋久島、沖縄諸島、八重山諸島。
    台湾南部、南沙諸島、インド-太平洋。

    生態

    基本情報

    熱帯・亜熱帯に多い。ユカタハタ属のなかでも国内での水揚げが少なくなかなか出合えない種。
    食用魚としての認知度などは非常に低く、沖縄では同様のハタ類とともに「あかみーばい」とくくられている。
    活魚1尾だけの評価ではあるが、ユカタハタ類の中でも比較的大きくなり美味だ。

    水産基本情報

    市場での評価/関東には小笠原から希に入荷する程度。他のハタ同様高価。
    漁法/釣り
    産地/東京都、熊本県、鹿児島県、沖縄県

    選び方

    触って張りのあるもの。鰓が赤いもの。

    味わい

    旬は不明。
    鱗は皮膚に埋まっていないためハタ類のなかでは取りやすい。皮は厚みがあって破れにくい。骨は硬い。
    透明感のある白身で血合いはほどんと感じられない。熱を通しても硬く締まらない。


    血合いの弱いきれいな白身 身には透明感があり、水分が少なく、繊維が緻密。血合いは弱く、刺身にして非常に美しい。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    コクハンハタの料理法・レシピ・食べ方/蒸す(骨蒸し、蒸し魚)、生食(刺身、湯引き)、煮る(煮つけ、鍋)、汁(みそ汁、潮汁)、ソテー(ポワレ)

    コクハンハタの蒸し魚(清蒸) 水洗いして頭部を梨子割りにする。水分をよくきり、器にねぎなどをしいた上に乗せてねぎ、しょうがなどを乗せて酒を振り蒸す。蒸し上がりにタレ(紹興酒・魚醬・醤油を煮つめる)をかける。蒸し上がったらねぎ、香菜などを乗せて煙が出るくらいに熱した油をかける。蒸した皮目がゼラチン質になり、甘味がありとても味わい深い。タレとからめて食べると非常にうまい。ご飯に合う。

    コクハンハタの刺身 水洗いして三枚に下ろす。血合い骨と腹骨を取り、皮を引き普通に刺身にする。活魚で締めて血抜きをしたもの。血のにじみもなく、食感が心地よく、ほどよい甘味とうま味がある。嫌みがなくついつい箸が伸びる味である。
    コクハンハタの湯引き ハタ科のなかでも、鱗が皮膚に埋まっていないので皮目を生かして料理できる。水洗いして三枚に下ろし、腹骨・血合い骨を取り、皮付きのまま刺身状に切る。これを塩を加えた湯に通して冷水に落とす。皮目の強い食感と皮直下のうま味が相まって非常においしい。
    コクハンハタの煮つけ 兜は梨子割りにする。湯通しして残った鱗やぬめりを流す。水分をよくきり、酒・醤油・水、しょうがで煮る。みりん、砂糖で甘味をつけてもいい。なんと言ってもゼラチン質の皮目がうまい。身離れがいいので食べ出があるのも魅力的だ。煮汁でご飯というのもオススメ。
    コクハンハタのちり鍋 湯通しして冷水に落として水分を切った中骨と昆布でだしを取る。昆布だけを出して、土鍋に中骨ごと移し替えて、湯引きした身を煮ながら食べる。味つけは酒と塩のみ。野菜はお好みで。寒い時季だけではなくいつ食べてもうまい。
    コクハンハタのみそ汁 あらがたくさんでるハタ類ならではの料理であるともいえそうだ。沖縄では「みーばい汁」なので「赤みーばい汁」ということになる。あらを集めて湯通しする。冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。水分をよくきり、水から煮出してみそを溶く。実に味わい深い滋味豊かな汁になる。
    コクハンハタのポワレ 三枚に下ろして切身にする。塩コショウして1日寝かせる。これを皮目から多めの油でじっくりとソテーする。火が通ったら身を取り出し、皿に盛り、エクストラバージンオイルを回しかける。要するにフランスの塩焼きのようなもので、端的にうまい。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/坂田雄三さん(おさかなやさん かぎや 鍵谷商店/ぷらら天満)
    『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂)
  • 主食材として「コクハンハタ」を使用したレシピ一覧

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