マゴチ
代表的な呼び名コチ
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魚貝の物知り度 | ★★★ 知っていたら通人級 |
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食べ物としての重要度 | ★★★ 一般的(流通量は普通) |
味の評価度 | ★★★★ 非常に美味 |
分類 | 顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目カサゴ亜目コチ亜目コチ科コチ属
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外国名 | Bartail flathead
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学名 | Platycephalus sp.2
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漢字・学名由来 | 漢字 真鯒、真牛尾魚 Magoti |
地方名・市場名 |
概要
生息域
海水魚。水深30m以浅の砂地。
青森県〜九州南岸の太平洋沿岸、若狭湾〜九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、瀬戸内海、種子島。
生態
■ 雄性先熟。満2歳35センチまでは雄。40センチを超えると雌に性転換する。
■ 産卵期は4月から7月。
■ 水深30メートルくらいまでの浅い砂地でエビや魚を捕食している。
基本情報
コチ科で古くから愛されてきた白身の高級魚。江戸時代の江戸や大坂、名古屋など大都市は大きな湾の奥にあるものだが、そんな沿岸域でたくさんとれる。ある意味、白身の高級魚の代表的なもの。年間を通してやや高値だが、ヒラメの味が落ちる初夏に旬を迎える。夏の白身の代表格だ。
水産基本情報
市場での評価 年間を通じて入荷は多いが、初夏から秋が多い。値段はやや高め安定。夏の活魚は高級。
漁法 刺し網、底引き網、釣り
主な産地
選び方・食べ方・その他
選び方
コチ(まごち)に2種あり、もうひとつのヨシノゴチはやや色合いが薄く丸く褐色の斑紋が散らばる。
対して本種は全体が黒っぽく丸い斑紋がない。味はマゴチのほうがいい。活け締めよりも活魚の方がいい。野締めは味が良くない。触って張りのあるもの。目が小さく見えるもの。退色が褪せたものは古い。
味わい
春〜夏が旬。産卵期と一致し、マゴチにとって「快適な温度でエサをしきりに食べる時期にあたるのではないか」と思う。
鱗は小さくて取りにくい。皮はしっかりとして厚みがある。骨はあまり硬くない。
透明感のある白身で黒い網状のものがあることが多い。日を通しても硬く締まらない。刺身などにすると非常に歩留まりが悪い。
栄養
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危険性など
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食べ方・料理法・作り方
好んで食べる地域・名物料理
加工品・名産品
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釣り情報
関東では千葉県の内房でエビ、ネズミゴチ(ネズッポ科)などを餌に釣らせる船がある。すなわち生餌のくわせ釣りである。1匹かけるともう一匹くるぞと相模湾などでは言われることがある。確かにコチを釣り上げるときに他のコチが水面近くまで追いかけてくることがある。コチは必ず夫婦2匹でいるもので、片割れが釣り上がると追いかけるようにハリにかかるのだそうだ。
歴史・ことわざなど
夏の魚 歳時記・季題は「夏」。
照りゴチ 釣りの世界では真夏の、いちばん熱く日が照りこむ時期のコチのことをいう。夏のいちばん暑い時期が旬だという意味と、釣り時であるという意味がある。
江都海尤多し 〈江都海尤多し、夏月洗ひ鱠(なます)となすときは、こひすずきに次て、酒媒(さけのさかな)の一品なり〉『魚鑑』(武井周作 天保辛卯 1831)
地方名・市場名
備考ヨシノゴチの呼び名である可能性がある。 参考文献 場所兵庫県明石
参考文献 場所和歌山県白崎
参考文献 場所四国
参考文献 場所瀬戸内海
参考文献 場所秋田県象潟、千葉県木更津、東京、神奈川、三重県東部、和歌山県、富山県生地・東岩瀬、玄海
参考文献 場所豊前海
参考文献 場所長崎県
場所関東、神奈川、静岡県など
備考市場でイネゴチなどと区別して。 参考文献 場所関東を初め市場など
場所沖縄
参考文献 場所富山県新湊・四方
備考豊前海ではクロゴチ(黒鯒)という。これはたぶんヨシノゴチをシロゴチ(白鯒)に対して黒っぽいコチの意味。