シマアジ

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最大120cm TL前後になる。体の後半部分測線上に稜鱗(ぜんご)がある。側へんして幼魚・若魚のときには側面か見ると体の中心部が高いアーモンド(猫の目形)、大きくなるに従い芽の後ろ上部が盛り上がってくる。生きているとき、鮮度のいいときには黄色い縦縞が1本体側に走る。
最大120cm TL前後になる。体の後半部分測線上に稜鱗(ぜんご)がある。側へんして幼魚・若魚のときには側面か見ると体の中心部が高いアーモンド(猫の目形)、大きくなるに従い芽の後ろ上部が盛り上がってくる。生きているとき、鮮度のいいときには黄色い縦縞が1本体側に走る。[コセとかエバと呼ばれる体長20cm弱の若魚。体側から見るときれいなアーモンド(猫の目形)をしている]
最大120cm TL前後になる。体の後半部分測線上に稜鱗(ぜんご)がある。側へんして幼魚・若魚のときには側面か見ると体の中心部が高いアーモンド(猫の目形)、大きくなるに従い芽の後ろ上部が盛り上がってくる。生きているとき、鮮度のいいときには黄色い縦縞が1本体側に走る。[20.5cm SL ・172g]
最大120cm TL前後になる。体の後半部分測線上に稜鱗(ぜんご)がある。側へんして幼魚・若魚のときには側面か見ると体の中心部が高いアーモンド(猫の目形)、大きくなるに従い芽の後ろ上部が盛り上がってくる。生きているとき、鮮度のいいときには黄色い縦縞が1本体側に走る。[SL 10cm]
養殖場から逃げ出したもの。養殖魚は天然ものよりお目が大きく頭部が大きい。
養殖魚は体色が濃く天然ものよりお目が大きく頭部が大きい。

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珍魚度・珍しさ★★
少し努力すれば手に入る
魚貝の物知り度 ★★★
知っていたら通人級
食べ物としての重要度 ★★★
一般的(流通量は普通)
味の評価度 ★★★★★
究極の美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目アジ科シマアジ属
外国名
White trevally 黃帶擬鰺 台湾/甘仔、瓜仔、縱帶鰺、石午(澎湖)、白魽
学名
Pseudocaranx dentex (Bloch and Schneider,1801)
漢字・学名由来

漢字 島鰺(和漢三才図会)、島鯵、縞鰺  Shimaaji
由来・語源 シマアジは明治期に西欧式の動物学が導入されたとき、東京市場(東京都日本橋魚河岸)で採取されたもの。伊豆諸島などからの入荷が多かったために「島鯵」となる。
和歌山県、高知県ではアジ科で体高があり黄色い縞模様のある魚全般をさす。漢字にすると「縞鰺」だ。
〈島鯵 鯵に似てやや扁(ひらた)く横文がある。尾の端に棘ひれ()がある。三、四月に出る。〉『和漢三才図会』(寺島良安 東洋文庫 平凡社 正徳2年 1712)
〈しまあぢ状あぢに似てて、全身(そうみ)まなかつおのごとし、小なるをゑのは(えのは)という〉『魚鑑』(武井周作 天保辛卯 1831)
〈志まあぢ 東京市場〉『帝国博物館天産部魚類標本目録.帝国博物館』(石川千代松・松浦歓一郎 1897)

Bloch
Marcus Élieser Bloch(マルクス・エリエゼル・ブロッホ 1723-1799 ドイツ)。医師、博物学者。ヨハン・ゴットロープ・テアエヌス・シュナイダー(Johann Gottlob Theaenus Schneider)とともに『110の画像付分類魚類学』を刊行。
Schneider
Johann Gottlob Theaenus Schneider(ヨハン・ゴットロープ・テアエヌス・シュナイダー 1750-1822 ドイツ)。博物学者。マルクス・エリエゼル・ブロッホ(Marcus Élieser Bloch)とともに『110の画像付分類魚類学』を刊行、完成させた。
地方名・市場名

概要

生息域

海水魚。沿岸の200mよりも浅い中・下層。
伊豆〜伊豆諸島、青森県〜九州南岸の太平洋沿岸(茨城県以北には未成魚)、[兵庫県明石(成魚)]、未成魚は新潟県〜九州北部の日本海沿岸、九州西岸、屋久島、沖縄島。
台湾、全世界の温帯域(東太平洋を除く)。

生態

産卵期は晩秋から冬。
ギュウギュウと鳴く。
小魚類をエサとする。

基本情報

東北などにも生息するが若い個体が多い。主に房総半島以南の比較的浅い岩礁域に生息する。ぎゅぎゅうと鳴く魚で、日本各地に鳴き声由来の呼び名がある。
シマアジは東京での呼び名で、江戸時代から島鯵である。これは江戸の町に伊豆諸島から押送船(おしょくり船)で房総半島突端、もしくは三浦半島まできて、後は江戸時代に整備されたじぐざくで湾奥にたどり着くコースできたものだろう。東京では古くからの高級白身(関東ではブリ属なども白身)として重要である。漁獲量はそれほど多くなく、1㎏以上は希である。
養殖が確立してやや値下がりしたが、それでも天然ものが消費地のスーパーなどに並ぶことはない。
また食用魚としても人気が高いが、釣りの世界ではスーパースターである。大型魚である「おおかみ」を釣ることを夢見る釣り人は少なくない。
珍魚度 珍魚ではない。養殖魚はいつでも手に入る。天然ものは市場などで探すとか通販を使う方が手に入れやすい。

水産基本情報

市場での評価 市場にならぶほとんどが養殖もの。天然物は少なく、特に1kgを超えると非常に高く1尾㎏単価で1万円、ときに2万円することもある。
養殖ものは味に季節変化が少なく価格が安定しており、㎏単価2000円〜3000円でやはり高価だが、ときどき大きく値崩れすることがある。刺身用アジ類ではシマアジ、カンパチ、ブリの順に高い。
ニュージーランド、オーストラリアなどからのチルド輸入もある。輸入魚としては高価。
漁法 釣り、定置網
主な産地 伊豆諸島、鹿児島県、高知県など太平洋側の地域。
養殖 大分県、愛媛県、熊本県、長崎県

選び方・食べ方・その他

選び方

目が澄んでいるもの、身体に張りがあるもの。体色がくすんでいるもの、鰓の色が暗褐色のものはさける。

味わい

旬は晩春から秋だとは思うが年々不明確になっている。近年では真冬や早春の個体でも味のいいものがある。小型のものは年間を通して美味。小型でもおいしいが、0.5kg前後で味が変わる。脂がのり味に奥行きが生まれる。
鱗は細かく取りにくい。皮は薄く取りにくい。骨はあまり硬くはない。
透明感のある白身で皮を引くと銀皮がある。血合いは赤くきれいである。熱を通しても強く縮まず、ほどよく繊維質で身離れがいい。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

シマアジの料理・レシピ・食べ方/生食(刺身、カルパッチョ、セビチェ)、焼く(塩焼き、みそ漬け)、煮る(あら煮、煮つけ)、汁(潮汁、みそ汁、中華風スープ)、揚げる(フライ、唐揚げ)
シマアジ1㎏上の刺身 天然ものの刺身。値段が高いので刺身になることが多い。一般に刺身とし、粗を潮汁というのが定番だと思われる。刺身は白身と背の青い魚の中間にある、双方のよいところを持っている。特に天然物は大型のアジ類の中でももっとも後味がいい。どんなに高価でも天然シマアジを買うには意味があると思う。

シマアジ0.5kg腹身刺身 水洗いして三枚に下ろす。0.5kgサイズくらいから背と腹を分けて血合い骨を切り取ることができる。皮を引き腹の部分を刺身にする。このサイズは明らかに腹部の方が脂がある。食感もあり、あくまでも好みの問題だが腹の方を好む人が多い。
シマアジ0.5kg腹背刺身 同0.5kgサイズの背の部分。身質のよさは天下一品。腹の部分よりも端正な味わいでまったく嫌みがなく、ほんのり甘味を感じて後からうま味が追いかけてくる。食感もほどよい。
養殖シマアジの刺身 養殖シマアジの脂は運動不足と高脂質のエサから来るものだろう。昔はこの大量の脂を嫌って氷水で締めてから使うという料理人も少なくなかった。身質は繊維質が少なくねっとりと舌にからみつくようで、後味まで強い。天然シマアジとはまったく別種の味だ。ときどき養殖物が逃げ出して、それが定置などに入ることがある。これも同様に味わいで脂の付き方は天然ものとは違っている。
シマアジの焼霜造り アジ科の魚は皮自体ではなくあぶった皮に魅力がある。三枚に下ろして背と腹に分けて腹の部分を皮付きのままあぶる。氷水に落として粗熱をとり、水分をよくきり刺身状に切る。あぶった皮下の、脂の甘味と香りが秀逸である。端的にうまい。
養殖シマアジのカルパッチョ 養殖シマアジはそれほど高いわけではない。ときに値崩れを起こすことも。高級魚と思わず、いろいろ試してみた。脂が強いので刺身は好き嫌いがでる。それを柑橘類などでカバーし、脂に油を足し算したら、意外にもあっさりした味になった。
天然シマアジの塩焼き 脂がのったシマアジを切り身にして振り塩をする。1時間以上寝かせて、じっくりと焼き上げたもの。まずは香りのよさに魅了される。身は脂を含んで柔らかく、舌の上でうま味を発散しながらほぐれていく。脂が強いのに後味がいいのも天然ものならでは。
シマアジのみそ漬け シマアジを三枚におろしてみその地につけ込む。地は広島県産白みそ、みりん、酒、少量の砂糖。これを焦がさないようにていねいに焼く。天然もので作ってもいいが養殖ものが値崩れしたときなどに漬け込んで置くのもよしかも。
シマアジのあら煮 頭部や中骨、すいた腹の骨部分を集めて湯通しする。冷水に落として残った鱗やぬめりを取る。水分をよく切り、酒、砂糖、しょうゆでこってりと甘辛く煮たもの。酒、塩だけであっさりと煮てもおいしい。頭部の皮は厚みがあり、ゼラチン質がぷるんとして甘みがある。ご飯に合う。
シマアジの煮つけ 三枚に下ろした身を切り身にする。湯通しして冷水に取りぬめりを流す。水分をよくきり、しょうゆ、酒、みりんで比較的あっさりと煮たもの。短時間で煮たものなので味が身の奥まで浸透していないので、身をほぐして煮汁にからめながら食べる。
天然シマアジの潮汁 刺身などに下ろしたあらの部分を集める。湯通しして冷水に落として残っている鱗やぬめりなどを取る。水分をよくきり、昆布だしで煮だして酒、塩で味つけする。仕上げにゆずのせん切り、山椒、コショウなどを振る。天然の上物のシマアジなら思わず目が覚めるほふぉに、うまい潮汁が出来上がる。
シマアジのみそ汁(魚汁) シマアジのあらを集めて、湯通しする。冷水に取り、残った鱗、ぬめりを流す。よく水分をきり、水から煮出して、少量の酒を加え、仕上げにみそを溶く。昆布だしを使うと一層味がよい。養殖ものなど脂が強いものに向く。また沖縄県の「がーら汁」なわけでご飯にも合う。
小シマアジのフライ 皮目に風味があるので三枚に下ろして、皮付きのまま切り身にする。塩コショウして小麦粉をまぶし、溶き卵をからめてパン粉をつけて揚げる。揚げても身は硬く締まらず、豊潤。小型は皮にはアジ科らしい風味があって身に甘味がある。脂がほどほどなので味が軽い。
シマアジ中型のフライ 水洗いして三枚に下ろす。半身をそのまま皮付きのまま揚げる。中骨・腹骨を取り、塩コショウして小麦粉をまぶす。溶き卵にくぐらせパン粉をつけてやや高温で揚げる。出来上がりはトンカツを思わせる。アジ科らしい風味もあるが、脂があるので身が豊潤で少々重い味わいである。まるでトンカツを食べたときのような満足感がある。

好んで食べる地域・名物料理

日本各地。

加工品・名産品

釣り情報

千葉県外房ではコマセ釣りで狙う。天秤仕掛けにコマセカゴ、4号、もしくは5号のハリスでオキアミエサ。
大きくても1キロ前後ながら、強烈なひきが楽しめる。
伊豆諸島などでは磯からも狙える。非常に引きが強く、釣り上げるのが至難。

歴史・ことわざなど

地方名・市場名

エノハ
サイズ / 時期小型 備考「ゑのは」。 参考『魚鑑』(武井周作 天保辛卯 1831) 場所『魚鑑』(武井周作 天保辛卯 1831) 
サカバリ
参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所三重県九鬼浦、和歌山県 
ソイ
参考『さかな異名抄』(内田恵太郎 朝日新聞社 1966) 場所和歌山 
シマイサギ
備考幼魚がなので体にある金色の縦縞が目立つので。 参考文献 場所東京都、神奈川県三崎、新潟県寺泊 
シマアジ
備考東京都は島嶼部に多いため。江ノ島や富山県などでは幼魚が多いので体にある金色の縦縞が目立つので。 参考『さかな異名抄』(内田恵太郎 慶応通信 1956)、『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004)、文献 場所東京都・伊豆諸島・小笠原、神奈川県江ノ島、富山県魚津、三重県二木島、和歌山県湯浅・白崎・塩屋、高知 
カメアジ
参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 場所東京都伊豆諸島など 
サビレ
参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 場所東京都八丈島 
バケシマ
サイズ / 時期大型魚 参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 場所東京都八丈島 
ヌクモメ
サイズ / 時期小型魚 参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 場所東京都小笠原 
ヒレナガ
サイズ / 時期大型魚 参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 場所東京都式根島・新島 
シラシヨウジ ソウジ
参考文献 場所沖縄 
クチトガヤー オーガシ
参考文献 場所沖縄県 
オーガシ
参考知念 場所沖縄県南城市知念漁協 
シマイッサキ
備考幼魚がなので体にある金色の縦縞が目立つので。 参考文献 場所熊本県、有明海周辺、福岡県玄海 
ヒラアジ
備考混称。 参考『さかな異名抄』(内田恵太郎 朝日新聞社 1966) 場所福岡県、熊本県 
ギュウギュウ
備考釣り上げると、ぎゅうぎゅうと鳴くからか。 参考『さかな異名抄』(内田恵太郎 朝日新聞社 1966) 場所静岡 
シマイオ[縞魚]
サイズ / 時期幼魚 備考浜名湖には幼魚しかいないはずなので、黄色い縦縞がはっきりしているため。 参考文献 場所静岡県浜名湖 
コセアジ
参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版) 場所高知県 
コセアジ
参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所高知県四万十町志和・室戸市吉良川 
コシマ
サイズ / 時期幼魚 参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版) 場所高知県四万十町興津 
マメコセ
サイズ / 時期10cm以下 参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版) 場所高知県土佐清水 
シバコセ
サイズ / 時期木の葉サイズ 備考コセよりも「しば(小さい)」という意味。シバは日本各地で小さいという意味合いで使われている。 参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版) 場所高知県土佐清水市布 
ソジ
サイズ / 時期15〜20cm以上 備考高知県上ノ加江では1〜5kgサイズ。 参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版) 場所高知県室戸 
エバ
サイズ / 時期15〜20cm 参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版)、『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 場所高知県室戸、鹿児島県種子島 
ウシシマジ
サイズ / 時期超大型魚 備考牛の様に大きなシマアジ。 参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版) 場所高知県宿毛市鵜来島・柏島 
シマジ
備考シマアジの略 参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版) 場所高知県柏島 
マメコセ
サイズ / 時期稚魚 備考豆のように小さいコセ。 参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版) 場所高知県柏島・窪津・以布利 
カツオアジ カツン
参考文献 場所鹿児島県 
ガラ
参考奄美漁業協同組合 場所鹿児島県奄美大島 
アブラカマジ カマジ クチグロカマヂ
参考文献 場所鹿児島県奄美大島 
ウタゴ[唄魚]
備考釣り上げると、ぎゅうぎゅうと鳴く(唄う)からか。 参考『さかな異名抄』(内田恵太郎 朝日新聞社 1966) 場所鹿児島県松ヶ浦 
マエバ
参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 場所鹿児島県種子島 
オオカミ
サイズ / 時期超大型魚 参考『さかな異名抄』(内田恵太郎 慶応通信 1956)、『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004)、『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂) 場所東京都東京市場・伊豆大島・八丈島 
コセ
サイズ / 時期幼魚 参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929)、『さかな異名抄』(内田恵太郎 朝日新聞社 1966) 場所三重県西部・和歌山県、高知県宿毛市田ノ浦すくも湾漁協 
メアカサゴ
サイズ / 時期幼魚 参考文献 場所鹿児島県