オオシタビラメ

オオシタビラメの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
SL70cm前後になる。裏側にも有孔側線がある。鱗がはがれやすい。鰓蓋が黒い。
SL70cm前後になる。裏側にも有孔側線がある。鱗がはがれやすい。鰓蓋が黒い。
魚貝の物知り度 ★★★★★
知っていたら学者級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★
美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系カレイ目ウシノシタ亜目ウシノシタ科イヌノシタ属
外国名
Four-line tongue-sole
学名
Cynoglossus quadrilineatus (Bleeker 1851)
漢字・学名由来

漢字 大舌平目 Oositabirame
由来・語源 ウシノシタ科でもっとも大型になるため。『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)にはなく、『魚類の形態と検索』(松原喜代松 岩崎書店 1955)でオオシタビラメ(新称)とある。Arelia bilineata (Lacepède, 1802)はシノニム。
Cynoglossus bilineatus (Lacepède, 1802) →Cynoglossus quadrilineatus (Bleeker 1851) 2023/12/17

Lacepède
Bernard Germain Lacepède(ベルナール・ジェルマン・ド・ラセペード 1756-1825 博物学者、音楽家。フランス)はビュフォン(Georges-Louis Leclerc de Buffon 博物学者。リンネとは違った配列を試みた)の後継者。
地方名・市場名
シタビラメ
参考20190423 場所神奈川県小田原市 
クロベタ[黒ベタ]

概要

生息域

海水魚。水深50〜120m。
神奈川県三崎三浦半島・相模湾〜九州南岸の大平洋沿岸、広島県尾道、福岡県津屋崎、東シナ海。
台湾、中国東シナ海沿岸、インド-西太平洋(オーストラリア北東岸・ソロモン諸島まで)
[徳島県海部郡鞆浦]

生態

産卵期は夏。

基本情報

ウシノシタ科の魚はあまり種を区分しないで取り扱われる。
本種も関東では「シタビラメ」で取り扱われるもの。
あまり入荷してこない魚で、ほとんど認知されていない。

水産基本情報

市場での評価 入荷量は少ない。値段はやや高値。
漁法 刺し網
産地 神奈川県、静岡県など

選び方・食べ方・その他

選び方

触って張りのあるもの。退色して白っぽいものは古い。

味わい

旬は晩秋から初夏。
鱗は普通で剥がれやすいが少し硬い。皮はしっかりして強く、微かに臭味がある。骨はあまり硬くない。
血合いの美しい白身で熱を通しても硬く締まらない。

料理の方向性
大形なので5枚下ろしに出来る。皮は剥きやすいので使いやすいシタビラメだと思う。アカシタビラメなどと比べると身が粗いものの熱を通しても硬く締まらない。血合いがきれいなので白身の刺身としても使えるが、活魚であるべきなど条件的に難しい。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

オオシタビラメの料理・レシピ・食べ方/ソテー(ムニエル)、揚げる(フライ、唐揚げ)、煮る(煮つけ)、焼く(塩焼き、幽庵焼き、西京焼き)、汁(みそ汁、潮汁)、生食(たたき、刺身)
オオシタビラメのムニエル 水洗いして皮を剥き、頭部と内臓を除いて塩コショウする。小麦粉をまぶして多めの油でじっくりソテーする。出来上がりにバター(マーガリン)で風味づけする。鰭際が香ばしく、身離れがよくほどよく繊維質で柔らかく豊潤。非常に美味。。バターとの相性がいい。醤油を垂らすとご飯に合う。
オオシタビラメのフライ やや繊維質が少なく、ぼろぼろする感じを受ける。これなどの問題点はフライ材料としてはマイナス点ではない。五枚に下ろして皮を引く。塩胡椒して小麦粉をまぶして衣(小麦粉・卵・水で、少なければ溶き卵でもいい)をからめてパン粉をつけてやや強火で揚げる。
オオシタビラメの唐揚げ 水洗いして五枚に下ろす。水分をよくきり、揚げやすい大きさに切り、片栗粉をまぶしてじっくりと二度揚げにする。鰭周辺がとても香ばしくておいしい。
オオシタビラメの煮つけ 基本的な料理法は煮る、だ。非常に大型なので水洗いして適当に切る。湯通しして表面のぬめりを流して、水分をよくきる。これを酒・醤油・水で煮る。みりん、砂糖で甘味をつけるとよりご飯に合う。やや身離れが悪いものの、捨てがたい味。
オオシタビラメの幽庵焼き(祐庵焼き) 水洗いして皮を剥く。適当に切り、水分をよく拭き取っておく。これを酒・みりん・醤油同割りの地につけ込む。半日ほど漬け込んで水分をきりこがさないように焼き上げる。単に塩焼きにすると味気なく感じるところを醤油やみりんなどで補う。
オオシタビラメの塩焼き 水洗いして皮を剥く。適当に切り、水分をよく拭き取る。振り塩をして1時間くらいねかせて、出て来た水分をまた拭き取り、じっくり焼き上げる。淡泊で上品な味ではあるが、イマイチ味がない。
オオシタビラメのみそ汁 あらを集めて置く。もしくは水洗いして適当に切る。湯通しして冷水に落とし、ぬめりを流し霜降りにする。水から煮出してみそを溶く。やや濃い目の味付けにするとご飯に合う。
オオシタビラメの潮汁 あらを集めて置く。もしくは水洗いして適当に切る。湯通りして冷水に落としぬめりを流し、霜降りにする。水分をよく切り、昆布だしで煮だして酒・塩で味つけする。上品で味わい深い汁になる。
オオシタビラメの沖鱠(たたき、なめろう) 筋肉部分は繊維質ではなく、水っぽく味わいに欠ける。刺身よりも、沖鱠などの方が合うと思っている。五枚下ろしにして、腹骨などを取る。皮を引き、細かくきり、たたく。香りのある大葉、みょうが、しょうが、ねぎなどを加えてもいい。またみそを加えてもおいしい。

オオシタビラメの沖鱠焼き(さんが焼き) みそを加えて作る沖鱠(たたき)を笹の葉やシソの葉などに乗せて焼き上げたもの。本来沖鱠は沖で作る魚料理自体のこと。このみそを入れた「たたき」を焼いたものも、家族へのお土産だったかも。焼くのではなくソテーしてもいい。
オオシタビラメの刺身 鮮度さえ良ければ刺身になる。皮を引くと非常にきれいな血合いで味がいい。五枚に下ろして皮を引く。これをやや薄く切りつける。活魚なので食感はいいが味はもの足りない。寝かせると食感が完全に消えてしまう。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど