イタボガキ
珍魚度・珍しさ | ★★★★ 正に珍魚・激レア生物 |
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魚貝の物知り度 | ★★★★★ 知っていたら学者級 |
食べ物としての重要度 | ★★ 地域的、嗜好品的なもの |
味の評価度 | ★★★★ 非常に美味 |
概要
生息域
海水生。水深3-10mの砂礫地。
房総半島以南、九州まで棲息。東京湾では絶滅している模様。
生態
5〜8月に産卵。
受精は母貝のなかで行なわれ、稚貝にまで育ててから放散する。
砂礫底にイタボガキにイタボガキがついて大きな塊状になって生息する。
基本情報
愛知県、愛媛県、熊本県などで絶滅危惧種に指定されている。
もともとは桁網(底曳き網)などの副産物で食用になっていた。
海辺の潮間帯にも見られるマガキと違って、水深3メートルから7メートル前後の海底にいる。
フランスのブロン(ヨーロッパヒラガキ)と味わいが非常に似通っている。
生食は非常に美味。イワガキに似て渋味がある。両種食べ比べても見分けがつかにほどに味わいは似ており。これが市場などに並んでいてもイタボガキと認識できるひとはまずいないと思う。他にはカキフライなどいろいろ利用できそうだ。
さてマガキは雌雄同体、卵胎生。卵を海に産卵、放出するのだが、イタボガキは5~8月に産卵、受精は母貝のなかで行なわれ、稚貝にまで育ててから放散する。外見はイワガキと酷似して見分けるのは難しいが貝殻の硬さがイワガキよりも柔らかく、貝殻に海水を含んだような染みがある。
イタボガキ科のなかでは汚染に弱いのか珍しい二枚貝となってしまっている。その昔、東京湾にも無数に見られたというが、現在では絶滅の可能性が大。
珍魚度 古くは東京湾をはじめいたるところに生息していたが、現在では瀬戸内海の一部にしかいない。かなり探さないと手に入らない。
水産基本情報
市場での評価 ほとんど流通しない。
漁法 底曳き網
産地
選び方・食べ方・その他
選び方
触って貝殻の閉じるもの。貝柱などが伸びている、水分が出ているものは古い。
味わい
旬は冬から春
貝殻は厚く、もろいが、やや開けるのは難しい。
自然状態ではいくつもの固体がくっついている。
身は薄く、貝柱が大きい。
苦み、渋みが感じられるが、非常に強い旨みがある。
貝柱はほどよく柔らかく、甘みがある。
栄養
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危険性など
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食べ方・料理法・作り方
かなり濃厚な味わい。カキの持つ、渋みや苦みがほどよく感じられ、大きな貝柱が甘い。食感のある貝柱がいいアクセントになる。味はヨーロッパヒラガキに似ている。
兵庫県では煮つけにしたという。また長く煮ると硬くなり、渋みが出るのですき焼きにした方が食べやすいかも知れない。意外やあっさりしてたくさん食べられる。
フライにすると貝柱がまるでホタテのような味わいになり、そこにちゃんとカキらしい個性がある。天ぷらにしてもいい。
少量の液体で蒸し煮にしても味がいい。
好んで食べる地域・名物料理
七色雑煮 〈いたぼがきや大貝でだしをとった七色雑煮が欠かせない。雑煮は、丸もちをゆで、にんじん、大根、ごぼう、お焼き(焼き豆腐)、里芋、をすべて丸く切り、貝でとっただしに味噌を加えた汁をかける。〉[P69 『聞書き 兵庫の食事』(農山漁村文化協会)1992]
牡丹がき 〈かきこぎ(かきとり)に出る家では、当然自家用文をとりのけて水揚げする。漁に出ない家では仲間の漁師からまとめ買いをして、殻つきのままかますに入れて一か月くらい保存しながら使う。〉、料理法は天ぷら、酢がき、大根との煮つけ、雑煮。土手なべ。[「瀬戸内海沿岸明石の食事」『聞書き 兵庫の食事』(農山漁村文化協会)1992]
加工品・名産品
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釣り情報
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歴史・ことわざなど
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