アカヤガラ
代表的な呼び名ヤガラ
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珍魚度・珍しさ | ★★★ がんばって探せば手に入る |
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魚貝の物知り度 | ★★★★ 知っていたら達人級 |
食べ物としての重要度 | ★★ 地域的、嗜好品的なもの |
味の評価度 | ★★★★ 非常に美味 |
分類 | 顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区新骨亜区正新骨下区棘鰭上目スメグマモルフ系トゲウオ亜系トゲウオ目ヨウジウオ亜目ヤガラ科ヤガラ属
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外国名 | Red cornetfish, 鱗馬鞭魚、鱗煙管魚
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学名 | Fistularia petimba Lacepède, 1803
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漢字・学名由来 | 漢字 赤矢柄、赤簳魚 Standard Japanese name / Akayagara Lacepède Bernard Germain Lacepède(ベルナール・ジェルマン・ド・ラセペード 1756-1825 博物学者、音楽家。フランス)はビュフォン(Georges-Louis Leclerc de Buffon 博物学者。リンネとは違った配列を試みた)の後継者。 魚鑑 『魚かゞみ』(著者/武井周作、画/一勇斎国芳)。天保2年(1831年)。魚貝類の和漢書(事典)。武井周作は江戸日本橋長浜町の蘭方医で本草家。 |
地方名・市場名 |
概要
生息域
海水魚。沿岸〜沖合いの200mよりも浅場。
北海道・[岩手県宮古]〜九州の日本海・東シナ海・太平洋沿岸、瀬戸内海、屋久島、沖永良部島、沖縄。
東シナ海大陸棚域、台湾、福建省、広東省、インド・西太平洋域、ハワイ諸島、大西洋。
生態
産卵期は冬〜春。
沖合のやや浅い岩礁域に生息。沖縄などではより深場。
小魚などを狙う肉食魚。
定置網の水揚げなどのときによく飛ぶ。
基本情報
北海道から熱帯インド洋・西太平洋に広い生息域を持つ。日本各地で水揚げがあるが、房総半島以南で水揚げが多い。非常にユニークな姿なので市場などでもとても目につく魚である。
関東などでは古くから椀ものなどに使われる上等な魚とされている。当然、割烹料理などに使われるもので、一般的に知られている魚ではない。
刺身、焼きものなども味がよいが、歩留まりから考えると超高級魚といえる。
田中茂穂は「薬用となるとの評判が多い」と書くが科学的な根拠はないと思われる。
珍魚度 珍しい魚ではない。ただやや高級であるのと、イワシ類やサバ類のように大量にとれる魚ではないのでがんばって探さないと手に入らない。
水産基本情報
市場での評価 入荷は少ないが珍しいものではない。歩留まりが悪く、高級魚というよりも超高級魚といえそう。
漁法 釣り、定置網
主な産地 九州など
選び方・食べ方・その他
選び方
赤味の強いもの。触って硬いもの。
味わい
旬は秋から冬。比較的年間を通して味が落ちない。寒くなると顕著に脂を蓄えるということはなく、むしろ煮たり焼いたり、刺身にすると豊潤だと感じる。うま味も豊かになる。
鱗は皮と一体化して取れないので体側の鱗をこそげ取り、全体にもこそげ取る。皮は薄いが硬い。頭部に近い方の骨は非常に硬い。
やや赤みがかった白身で熱を通しても硬く締まらない。身離れがよい。
栄養
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危険性など
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食べ方・料理法・作り方
水洗いして肝などを取り分けておき適当に切る。頭部に近い方の骨は非常に硬いがいいだしがでるので、必ず使いたい。湯通しして冷水に落とし、表面のぬめりなどを撮る。これを昆布だしに酒塩で煮ながら食べる。ポン酢でも柑橘類と醤油でもお好みの物をつけて食べる。
身と皮は非常に上品でいながら締まっており、甘味と微かな脂を感じる。食べ飽きない。頭部の骨周りの身は別格のうまさである。いいだしが出るので終いに雑炊とか麺をいれるとかするといい。
小骨が少ない真ん中あたりを使った。3枚に下ろして立て塩に10分前後つける(気温や大きさで漬ける時間は変わる)。今回は強めに干し上げてみた。丸2日間なので表面は硬く感じるくらいである。焼き上げると非常に香り高く、独特の風味が皮から感じられる。身は反対にふっくらと豊潤になり、肉汁がにじみ出てくるほどだ。
好んで食べる地域・名物料理
日本各地
加工品・名産品
干物 三重県尾鷲市。岩田昭人さんから。
釣り情報
沖合の岩場の上などでイサキやマアジ釣りをしていると釣れた魚を加えて上がってくる。もし専門に狙うならルアーや生き餌がいい。
歴史・ことわざなど
喉に刺さった魚の骨を取る アカヤガラの喙(吻)を乾燥して、神棚に保存しておく。魚の骨が喉に刺さったとき、乾燥した喙をストローのようにして花柴を生けたいた花瓶の水を飲む。すると魚の骨がとれる。[佐藤厚さん 長崎県雲仙市小浜 2023/12/10]
この平次の密漁を病気の母のための孝行として、その笠をかたどって作られたのが三重県津市の「平治煎餅」との由来がある。このときの魚がヤガラだとしている。
地方名・市場名
サイズ / 時期大型 参考丹後地方で使われている魚名方言集 場所京都府丹後地方
参考丹後地方で使われている魚名方言集 場所京都府宮津
参考文献 場所山口県下関、鹿児島
参考文献 場所愛媛県川之江
備考標準和名 参考聞取、日比野友亮さん/和具の方言 場所東京、神奈川県江ノ島・小田原、三重県志摩市志摩町和具
参考文献 場所沖縄県
参考文献 場所福岡県志賀島
参考静岡県水産・海洋技術研究所・伊豆分場 場所静岡県稲取
参考文献 場所鳥取県米子
場所鹿児島県
参考文献 場所鹿児島県奄美大島安脚場
参考文献 場所鹿児島県奄美大島笠利
参考川東繭右さん 場所鹿児島県屋久島安房
参考聞取、丹後地方で使われている魚名方言集 場所宮城県、福島県、東京都、神奈川県、京都府丹後地方、徳島県海部郡海陽町『宍喰漁業協同組合』
参考文献より。